鈍る福島県内「障害者雇用」 達成率53%、過去5年で初の低下

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 障害者の雇用が義務付けられている県内の民間企業1425社(昨年6月1日現在)のうち、法定雇用率を達成できたのは約半数の757社(53.1%)にとどまり、達成企業の割合がここ5年で初めて前年度を下回ったことが、福島労働局のまとめで分かった。労働局は企業訪問を活発化させるなど実態把握に努め、雇用促進の取り組みを強化する。

 雇用障害者数は2013(平成25)年度の3716.5人から増加傾向が続き、昨年6月1日現在で4949.5人と過去最多を更新した。

 ただ昨年4月の法定雇用率の引き上げに伴い、障害者雇用を義務付けられる企業の従業員数も「50人以上」から「45.5人以上」に変わり、県内の対象企業は前年度比99社増の1425社に増えた。しかし、法定雇用率を達成した企業は前年度比18社増の757社にとどまり、達成企業の割合は前年度を下回った。福島労働局は「障害者を多く雇う企業と、そうでない企業に二極化している可能性がある」と分析している。

 労働局は、障害者を雇用していなかったり、雇用率未達成の企業を訪れ、他社の雇用事例を紹介するなど改善を促すほか、障害者雇用促進セミナーや就職面接会の開催を通して法定雇用率の達成につなげたい考えだ。労働局の担当者は「障害者の雇用は企業のトップの考え方次第という側面がある。粘り強く理解を求めていきたい」としている。

 県内トップのクラロン「力引き出す工夫を」

 福島市の繊維工業クラロンは1956(昭和31)年の創立時から障害者を雇用している。従業員131人のうち昨年6月1日現在で、障害者は35人(重度障害者11人)に上り、実雇用率35.11%は県内民間企業でトップだ。

 従業員は障害の程度や状態に応じて縫製や製品の袋詰めに従事しているといい、田中須美子会長(94)は「健常者、障害者という枠を超えて経営者が従業員の力を公平に引き出せば、障害者雇用の状況は改善していく」と話している。