喜多方のラーメン店「宝夢蘭」閉店へ 店主、大好きな野球に生涯を

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閉店の日まで厨房に立つ菅沼さん(左)とたみ子さん

 地元住民や野球関係者に30年近く愛されてきた福島県喜多方市字大道田のラーメン店「宝夢蘭(ほーむらん)」が20日にのれんを下ろす。

 半世紀近く野球の審判員として活躍し、喜多方野球協会長も務める店主の菅沼健仁良(けんじろう)さん(70)は「好きな野球を続けられたのは、お店と家族のおかげ」と、妻たみ子さん(70)と共に厨房(ちゅうぼう)に立ち、閉店の日まで来店者を迎えている。

 「野球漬けの人生だった」。菅沼さんは高校時代から中心選手として活躍。社会人時代は地元チームに所属し、投手として3年間で150勝した。しかし肩を痛めて引退し、その後は審判員の道を歩んできた。

 「野球にもっと関わりたい」。団体職員を辞め、1978(昭和53)年にスナック「野球健」を開店。昼は野球、夜は仕事の生活を続けた。「審判員は朝が早いので寝坊できない」と、夜中に店が終わったら球場に行き、ベンチに野宿して朝を迎えていたという。

 「飲食店を開きたい」というたみ子さんの希望で、90年に現在の店を開店した。当初は食堂としてチャーハン、親子丼、スパゲティ、パフェなどメニューも多かった。

 審判員としても99年の第71回春の選抜高校野球大会で、本県から初めて審判員として派遣されたのが最高の思い出。当時の写真など店内には野球のポスターや新聞記事が展示され、常連客らと野球談議に花を咲かせてきた。

 入居するビルが老朽化で取り壊されることから、閉店を決めた。「名残惜しいが、今後は審判員の育成など、大好きな野球に生涯をささげたい」

 「宝夢蘭」の営業時間は午前10時~午後8時。