田植えは『空の目』が導く 南相馬「スマート農業」実証始まる

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ハンドルから手を離した状態でも直進する自動運転の田植え機=南相馬市小高区上浦

 ロボットや人工知能(AI)などの先端技術を活用する「スマート農業」の実証事業が南相馬市小高区で行われている。現地で16日、衛星利用測位システム(GPS)を搭載した自動運転の田植え機を使った実証が報道公開され、新規就農者が熟練農業者と同様に田植えができることを実演した。

 スマート農業は、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が解除された地域など、農業の担い手不足が続く本県農業の救世主として期待されている。

 実証は県や福島大、クボタ東京本社などで構成する「南相馬市小高スマート農業実証コンソーシアム」が、同市小高区の紅梅夢ファームの農地で本年度から2年計画で行っている。経営管理をはじめ田植えや水管理、収穫など一連の作業にスマート農業を導入し、収益性の向上や品質安定化、作業効率化の手法を確立する。

 田植えは同市小高区上浦の水田60アールで行われた。同ファームの新入社員で、田植え機を初めて操作する森泉誠さん(36)が機械に搭乗した。機械はハンドルから手を離した状態でも直進し、苗や肥料を等間隔で植栽、散布した。同ファームの佐藤良一社長(65)は「スマート農業は、原発事故の被災地で課題となる農業の担い手確保や営農再開の促進に必要となる」と力を込めた。森泉さんは「経験が浅い私でも、機械が苗や肥料の残量を教えてくれ、安心して田植えができた」と話した。

 本年度は今後、ドローン(無人航空機)の農薬散布や水田の水位を遠隔操作で管理する実証などを行っていく。