葛尾に新メェ~所 住民有志が「ヤギ牧場」計画、地域活性化へ

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オープンへ準備を進める鎌田さん(右)と会津さん

 葛尾村にヤギと触れ合え、乳搾りなどの体験ができるヤギ牧場を造り、活性化につなげようと、住民有志らが動きだした。牧場を一般開放するほか、せっけんやチーズなど乳製品を製造、販売して収益を得る考えだ。村は一部地域を除いて避難指示が解除されたものの、住民帰還の足取りは鈍い。「若い人が来るきっかけになれば」と期待を込める。

 住民らが出資して2017(平成29)年12月に設立した株式会社「かつらおファーム」が、福島相双復興推進機構と共同で事業を前に進める。

 東京電力福島第1原発事故前まで村内で養豚業を営んでいた鎌田毅さん(76)が社長、栃木県那須塩原市でヤギ牧場を経営していた会津勉さん(66)が専務を務め、1人いる社員も60代と全員年配だ。

 会津さんは土地開発業者として民間会社で働いていた。早期退職後に那須塩原市に牧場を開設。原発事故が起き、妻に牧場の経営を任せ、土地開発業者としての資格や経験を生かして葛尾村の復興に関わった。その後、葛尾村で牧場を開くため、那須塩原市の牧場を今年3月に閉鎖した。

 来年5月オープンへ

 鎌田さんは避難先の田村市、会津さんは三春町のアパートから葛尾村に通い、かつらおファームの出資者から借りた土地約4ヘクタールを整地するなど、来年5月のオープンに向けた準備に汗を流す。飼っているヤギは35匹。搾乳量が牛と比べて少ないため、飼育規模を拡大させるつもりだ。

 ◆乳製品や肉料理提供

 現在収入はなく、まずは生乳を使ったせっけんを手作りし、会津さんが那須塩原市の牧場で築いた販売網などを生かして7月からネット販売する。ヨーグルトやジャムなど乳製品の製造、販売と併せてヤギ肉の出荷も計画しており、牧場で生まれたヤギを千葉県に建設中の畜舎で大きく育て、同県の民間会社の力を借りハラル認証(イスラム教の戒律に従った製造)の取得を目指している。

 将来的には牧場に開設するレストランでヤギ肉を提供する考えだ。牧場をたくさんの花で飾ったり、農産物を生産、販売するなど夢は広がる。

 鎌田さんは「葛尾村では農家の高齢化が進んでいる。活性化はもちろんだが、ヤギを使って除草をするなど農家の手伝いもしたい」と前を向いた。