地域熱供給システム導入目指す 福島県機関、再生エネ有効利用

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 再生可能エネルギー関連産業の育成支援に取り組む福島県のエネルギー・エージェンシーふくしま(EAF、郡山市)は23日、本県に地域熱供給システムの導入を目指す考えを明らかにした。熱源にはバイオマスや太陽光、風力といった再生エネを有効利用し、発電時に生じる熱や温水を地域の家庭や事業所に循環させる仕組みを探る。先進地のデンマークと連携し、県内の企業や団体、行政などの取り組みを技術や事業モデル作りで後押ししたい考えだ。

 地域熱供給の実現に向けEAFは同日、デンマークの官民機関「ステート・オブ・グリーン」と再生エネ分野で連携する覚書を結んだ。同国のノウハウを取り入れ、発電効率を高める技術開発や企業間の交流促進につなげる狙いがある。

 地域熱供給は〈1〉温水の製造過程〈2〉熱損失を抑えた供給〈3〉消費者側で適切な設備の利用―でシステムの効率が左右される。都市部の人口密集地や、排熱が多い工業地帯などが適地となり、国内では駅周辺や複合ビルで導入されている。

 日本熱供給事業協会によると、東北では盛岡、山形両駅周辺施設などに導入例がある。

 寒冷地のデンマークでは約100年前から地域熱供給の試みが始まった。発電所や工場、廃棄物焼却施設から出た熱を一時的に蓄熱し、導管(パイプライン)を通じて温水が家庭のヒーターに送られる。熱源は化石燃料に加え、麦わらや木質ペレット、再生エネなど多岐にわたり、需給に応じて選択できるのが特徴だ。

 地域熱供給を巡っては、県も実現可能性の有無を検討している。ただ、導管を地中に埋設して張り巡らせる必要があるため、高額な初期投資や敷地の確保など実現へのハードルは高い。

 近年は高品質の断熱パイプの開発が進み、30年以上の耐用年数が見込まれる。EAFの服部靖弘代表は地域熱供給に関し「県内にバイオマス発電が広がり始めている。導管の敷設は課題だが、不可能ではないと思う」と意欲を示した。

 都内のデンマーク大使館で行われた締結式では、服部代表とステート・オブ・グリーンのファン・モーテンセン長官が覚書を取り交わした。井出孝利副知事、フレディ・スベイネ駐日デンマーク大使が同席した。