「除染土」...資材化進む 飯舘・長泥地区、環境再生事業を公開

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除染で出た土壌を振り分ける装置。土砂を投入するとベルトに土が流れていき、自動的に低濃度と高濃度の土に分配される

 東京電力福島第1原発事故の帰還困難区域に指定されている飯舘村長泥地区で環境省が行っている環境再生事業の現場が24日、報道陣に公開された。除染で出た土壌を再生資材化して農地化を目指す事業で、再生資材化する土の量はまだ見通せていないが、村内で唯一帰還が認められていない同地区でも、復興へ向けた足音が聞こえてきた。

 同地区の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)186ヘクタールのうち、約6分の1に当たる34ヘクタールを事業区域に充てる。同事業では、村内の除染で出た土壌のうち、放射性セシウムの濃度が1キロ当たり5000ベクレル以下のものを再生資材化する。

 この再生資材で農地を造成、その上に50センチほど土をかぶせて、資源作物などを試験的に栽培する。放射性物質の影響がないかを調べ、将来、同地区での営農再開へとつなげる方針だ。来月にも、盛り土をした農地で資源作物の栽培が始まる見込みという。

 この日は、再生資材を作る現場や、盛り土をし、資源作物を栽培するエリアなどが公開された。工程を見学した同行政区の鴫原良友区長は「(土壌の搬入は)住民が悩み抜いた末の決断だった。一人でも多くの人が長泥に住めるよう事業を進めてほしい」と注文。「(土壌の)再利用について全国の人が考えるきっかけにもなってほしい」と除染で出た低濃度の土壌の、今後の在り方についても言及した。

 同地区を巡っては、居住促進ゾーンや農の再生ゾーンなど186ヘクタールの復興拠点整備計画が認定されており、2023(令和5)年の避難指示解除を目指している。