原発事故の影響確認 仙台高裁裁判長ら浪江と富岡を訪問

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 東京電力福島第1原発事故当時、福島県の全59市町村に住んでいた住民ら約3650人が国と東電に損害賠償などを求めた集団訴訟(生業(なりわい)訴訟)で、仙台高裁の上田哲裁判長らは27日、浪江町と富岡町を訪れ、被害の状況を確かめた。

 原発事故を巡る集団訴訟で高裁が現地確認をするのは初めて。裁判所側が調書を作成する「検証」の形は取らず、現地での進行協議の位置付けで実施された。上田裁判長をはじめ原告団、原告側の弁護団、被告側の東電社員や弁護士ら約60人が立ち会った。帰還困難区域となっている富岡町のJR夜ノ森駅前、商店街などを訪れ、原発事故が与えた影響などを確かめた。

 浪江町の旧居住制限区域の立野地区にある、原告の男性(81)=福島市に避難=の自宅も確認。男性は上田裁判長と裁判官2人に、避難指示が解除されても放射線量への不安があることや、住民らがほとんど戻ってきていない現状、長期の避難生活でこれまでの生活コミュニティーが崩れたことなどを説明した。男性は「原発事故後から故郷を追われ、苦しんで生活してきた様子が少しでも伝わったらいい」と話した。