「早く元の生活に」 喜多方・地滑り1年、避難勧告解除はまだ

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現地説明会で地滑りで亀裂が拡大した現場を見学する住民ら=4月、喜多方市高郷町揚津地区

 福島県喜多方市高郷町揚津(あがつ)地区の県道新郷荻野停車場線周辺で発生した地滑りは、市の対策本部が同地区の1世帯2人に避難勧告を出してから29日で1年を迎える。県によると現在は地滑りに動きがないため、農地や県道の復旧作業を進めているが、避難勧告解除には至っていない。「早く元の生活に戻りたい」。地域住民の不安は募る。

 県によると、現在は地滑りの動きを観測しておらず、通行不能となった県道や亀裂が入った農地の復旧を進める。ただ避難勧告解除について市の対策本部は「まだ解除を判断する状態ではない」とする。

 市や県によると、現状の対策が十分かどうかを検討する必要があるが、冬季の積雪量が少なく、例年とは気象条件が異なることから、検証そのものが困難という。県は今後も衛星利用測位システム(GPS)や伸縮計で地滑りの動きを監視する。県の担当者は「安心安全を確保し、国や市などと検証方法や期間を決めていきたい」と話している。

 また、県道は元通りの復旧は難しいため、県は以前よりもカーブを緩やかにした全長約450メートルの道を新設する方針を住民らに示している。国の災害復旧予算を活用し、正式に決定され次第、着工する予定。

 農地については、発生直後に整備した地滑りの原因とされる地下水を恒久的に排出する井戸「集水井(しゅうすいせい)」8基を活用。地滑りで使用できなくなった1.8ヘクタールを来春に営農再開できるよう、農道などの工事を進める。