撤去見直し「設置継続」決める 福島県内のモニタリングポスト

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 原子力規制委員会は29日、空間放射線量を測定する県内の放射線監視装置(モニタリングポスト)について、住民説明会で反対意見が相次いだことを理由に約3000台のうち約2400台を撤去するとしていた方針を見直し、設置の継続を決めた。狭い地域に集中的にある装置については関係市町村の理解を得た上で、除染土壌などが全て搬出された後に撤去も含めた配置の適正化を図るとした。

 29日、都内で開いた定例会合で決定した。規制委の更田(ふけた)豊志委員長は会合後の記者会見で「(住民の)心配が強いと確認した。存続は年単位になる」との見通しを示した。ただ、規制委は「避難指示・解除区域以外の空間線量は十分に低く安定し、(2キロ四方を監視できる)可搬型モニタリングポストでの監視で十分であるという考えに変わりはない」としている。

 規制委は2018年3月20日、空間線量が低く安定していることを理由に約3000台あるモニタリングポストのうち、避難指示が出た12市町村以外にある約2400台を20年度末までに順次撤去する方針を決定。対象は学校や公園などにある円柱状のリアルタイム線量測定システムで、可搬型モニタリングポスト約600台は継続するとしていた。

 しかし、原子力規制庁が18年6~11月に県内15市町村で計18回開いた住民説明会では「風評被害が残り、放射線による子どもへの健康被害の不安もある」など撤去反対の意見が相次いだ。また県内4市や県内外の11市町村議会からも撤去に反対する意見書が提出され、早期撤去は現実的に困難な状況だった。撤去後のモニタリングポストを活用できる場合は12市町村内に再配置する考えだったが、今回の方針変更を受け当面は現状のままとなる。

 規制委は例年、県内の約3000台の維持費として約6億円と、修理・移設費の約1億円を予算計上しているが、20年度までの復興・創生期間終了後の財源確保は見通せていない。