『新生わらじ』初披露!仕上がり太鼓判 福島で東北絆まつり開幕

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見事な担ぎっぷりで観客を盛り上げた福島わらじまつり

 1日に開幕した「東北絆まつり」では、強い絆で結ばれ、6年ぶりに福島の地に集った東北6県の祭りの担い手たちが、会場を大きな熱気で包んだ。パレードの先陣を飾った「福島わらじまつり」は開催50回の節目に一新され、今回が初披露。「まつりを市民が誇りに思えるように変えたい」。その思いから刷新の立役者となった2人も担い手たちとともに、歓声の中を練り歩いた。

 東北絆まつりで初披露された"新生わらじまつり"。従来のわらじまつりから曲や踊り、衣装が変化。まつりに親しんできた福島市民からは「華やかになった」とその仕上がりに太鼓判を押す声が聞かれた。

 福島市の介護施設職員菅野貴史さん(33)は小学生の長女と長男、妻、母の5人で来場。「リズムが取りやすく手拍子をして盛り上がることができた。子どもたちにも良い思い出になった。新たな歴史として地元に根付いてほしい」と期待した。

 以前のわらじまつりに踊り手として参加経験があるという同市の主婦佐々木さおりさん(46)は「華やかにバージョンアップしていて良かった」と喜び、夫で会社員の陽光さん(46)は「踊り手が小さなわらじを持っていたが、共通の小道具がある分、見応えがあった」と振り返った。

 「変えたい」本気で向き合った 大友さん「無限に成長」期待

 福島わらじまつりは400年以上続く冬の神事「暁まいり」を参考に、1970年に新たな夏祭りとして始まった。福島市出身の音楽家古関裕而作曲の「わらじ音頭」や、洋楽風のわらじ音頭に合わせた踊りも生まれた。転機は東日本大震災後に始まった「東北六魂祭(ろっこんさい)」。他県の魅力的な祭りとの交流から、市民から刷新の声が出た。

 「わらじまつりを変えたい」。地元青年団体メンバーとして関わってきた小口直孝さん(56)=現・福島わらじまつり実行委員会企画検討委員長=は2013年夏、同市で10代を過ごした音楽家大友良英さん(59)に軽い気持ちで依頼した。すると大友さんから「本気で変える覚悟はあるのか」と問い返された。変化には苦労や多くの課題が伴う。想像した小口さんは返事に窮し、それっきり話は進まなかった。再び見直しの機運が高まり、覚悟を決めた小口さんが大友さんに協力を依頼したのは18年春。刷新の取り組みが本格的に動きだした。

 「市民が胸を張って『素晴らしい祭り』と言えるまつりにしたかった」と大友さん。小口さんの熱意に打たれ、総合プロデューサーとして市民とアイデアを練った。音楽や踊り、衣装などを一新する一方、まつりのストーリー構成やわらじ音頭などを取り入れ、伝統にもこだわった。

 この日、初めて披露された新生わらじまつりは音楽と踊りが一体化し、華やかさも高まった。大わらじの運行を補佐した小口さんは「大友さんが本気で向き合ってくれたから改革できた」と達成感を口にし「本番の(8月の)『福島わらじまつり』に向け、さらに練習を積む」と意気込んだ。

 自らもパレードに加わった大友さんは「この改革は土台にすぎない。市民が誇りに思えるにはこれからが大事」とし「まいた種が5年後、10年後に大きな花を咲かせることを願う。無限に成長するわらじまつりにしてほしい」と熱気に包まれた会場を見渡した。