人材の確保へ「住民調査」 12市町村検討会、働く意欲やニーズ

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
検討会で発言する内堀知事(右)。左は渡辺復興相、中央は大西隆座長

 原発事故で避難指示が出た12市町村の将来像を巡り復興庁は2日、復興加速化に向けて本年度に取り組む五つの重要テーマを示した。新規事業では、12市町村の住民を対象に働く意欲やニーズを調査し、深刻化する人手不足の解消につなげることなどを盛り込んだ。

 Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)で開かれた12市町村の将来像に関する有識者検討会で示した。12市町村の住民の中には高齢者層を中心に定職を離れた世代も多く、人材の掘り起こしができないか検討するとともに、復興事業従事者の他業務への活用などを探る狙いがある。

 12市町村では、医療、介護、商工、農業、行政などの分野で働き手が不足。自治会や消防団、健康づくり活動、伝統芸能といった地域活動の担い手も足りない。復興庁は、需要側の要望も調査するほか、シルバー人材や外国人労働者などの活用事例も調べ、多様な人材確保の在り方について情報収集する。

 このほか新規事業では、県外からの宿泊・滞在を推進するため、宿泊施設と連携した滞在交流プランなども企画する。震災学習やスポーツ、里山体験など地域資源を活用したプランを想定しており、モニターツアーによる検証も行う。

 また、昨年度の調査では首都圏や近畿圏に在住する約100万人のうち、12市町村への移住意向は5%程度になるとの推計が判明。これらを踏まえ、本年度は移住者の拡大に向けた効果的なプロモーションの方策や受け入れ態勢について具体的な検討を行う。

 工程表の改定案決定

 検討会は初めて12市町村内で開かれ、将来像の実現に向けたロードマップ(工程表)の改定案を決定した。

 改定案では2020年に向け、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の推進や観光振興の拡大など22項目に取り組むとし「復興・創生期間後も継続して国が前面に立って取り組む」と明記。渡辺博道復興相は「来年度の検討会までに進捗(しんちょく)状況を総点検した上で、21年度以降の進め方を皆さんと相談していきたい」と語った。