福島県庁・屋外に「喫煙所」 必要最小限...愛煙家へ一定の配慮

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昨年8月に閉鎖された県庁内の喫煙室(奥)。県は7月から敷地内禁煙とし、屋外に喫煙場所を設置する

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が施行される7月1日に合わせ、県は庁舎を含め県庁敷地内を禁煙とした上で、改正法で認められた喫煙場所を屋外に設ける。県が4日発表した。喫煙場所の設置は一般利用者への配慮が主な理由。しかし、県は「健康長寿の県づくり」を掲げており、率先して全面禁煙にすべきだとの厳しい指摘もある。

 「来庁者の利便性も踏まえ、必要最小限の喫煙場所を設置することで受動喫煙対策を図る」。内堀雅雄知事は4日の定例記者会見で喫煙場所を設ける理由を説明した。

 改正健康増進法では、行政機関の庁舎や学校、病院などが敷地内禁煙となる。ただ「屋外で受動喫煙を防止する必要な措置が取られた場所」には喫煙場所を設置できる。これを受け、県は3方向を壁で囲んだ屋根付きの喫煙場所を、本庁舎南側の人目につきにくい2カ所に設置する。

 県は昨年8月、西庁舎の耐震化工事の影響で2階にあった喫煙室を閉鎖、庁舎内を禁煙とした。敷地内の屋外での喫煙は可能だが、閉鎖当初は県庁隣の敷地外にある公園で喫煙する職員が相次いだ。このため公園を利用しづらくなったとの指摘があり、県庁敷地内では吸い殻も確認されたことを踏まえ「受動喫煙やポイ捨てを防ぐには喫煙者を一方的に排除するのではない対策を講じることにした」(県施設管理課)という。

 ◆◇◇県議控室のみ

 庁舎内ではこれまで、行政とは対応が異なるとして、県議が利用する本庁舎3階の県議会会派控室のみ喫煙が認められていた。

 県議会事務局の担当者は「(議員がいる場所が)禁煙の対象になるかどうか国から明確な話がなく、行政と同様の扱いにできなかった」と説明する。県の今回の全面禁煙方針について、愛煙家の県議は「議員として法律に従うのは当然だ」と理解を示した。

◇◆◇「健康な街」発信

 喫煙に関して職員の反応はさまざまだ。喫煙する職員は「法律の趣旨に沿い節煙に努めていきたい」と話す。一方、たばこを吸わない職員からは「県が健康増進に取り組む中、率先して禁煙に取り組むべきではないか」との声も上がる。

 本県の喫煙率は22.3%と全国で4番目に高く、県は健康指標の悪化につながる危険因子の一つに挙げ、禁煙を呼び掛けている。こうした現状に内堀知事は「県民の意見もそれぞれあろうかと思う。真摯(しんし)に受け止めていく」と述べた。

 公衆衛生学を専門とする福島医大の安村誠司理事・副学長は「東京五輪の野球・ソフトボール競技が行われる福島市に大勢の外国人が訪れると予想されるが、『喫煙できる県』と捉えられるのは恥だ」と指摘。「受動喫煙対策としてまだまだ取り組むべきことは多い。健康な街づくりを進めていることを国内外に発信したい。県だけではなく、市町村や議員、県民一人一人に主体的に取り組んでほしい」と続けた。

 ◇◇◆県警は「検討」

 県警は本部庁舎内を禁煙としている。ただし屋外に喫煙所を設置しており、午前8時30分~午後5時15分の就業時間外では一部喫煙を認めている。改正法が施行される7月以降の対応について、県警の担当者は「改正内容などを踏まえて検討段階」としている。