避難の有無...「死亡率」変わらず 透析患者の震災後6年間研究

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 東大大学院医学系研究科の野村周平助教やいわき市の常磐病院の研究者らでつくる研究グループが、震災と原発事故を受けて避難した透析患者と避難しなかった透析患者との間に、事故後6年間の死亡率に差はなかったとする研究成果をまとめ、6日までに英字誌オンライン版に発表した。

 研究チームは「(震災、原発事故で)十分な準備の整わない高齢者が避難した結果、死亡率が上昇したという報告は少なくない」とした上で、今回、避難した患者と避難しなかった患者の死亡率に差がなかったことについて「移送手段や受け入れ透析施設の確保、患者の情報の共有が的確に実施できれば、避難は人々の生命をより多く救う可能性があることを示した」とした。

 その上で「透析患者移送に関する広域医療圏全体に対応した災害マニュアルの策定が必要だ」としている。

 研究では、いわき市のときわ会グループの病院などで原発事故発生時、透析治療を受けていた患者554人(平均年齢70.9歳)を対象とした。このうち418人が避難した。

 原発事故後6年間で120人が亡くなり、内訳は避難した人が94人、避難しなかった人が26人。分析の結果、避難した人と避難しなかった人の死亡率に差は認められなかった。