「複数脳腫瘍」同時に治療可能 太田西ノ内病院に国内初の技術

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
ハイパーアークを用いて治療を行った新野医師(左)ら

 太田西ノ内病院(郡山市)は10日までに、脳腫瘍に対する放射線治療の技術「HyperArc(ハイパーアーク)」を国内で初めて導入、臨床治療を開始した。複数の脳腫瘍に対して同時に放射線治療が可能で、治療時間の大幅な短縮や副作用リスクの低減が期待されるという。

 同技術は、医療機器製造のバリアンメディカルシステムズが開発。同病院は昨年3月、同技術に対応可能な新機種の放射線治療装置「リニアック」1台を導入し、調整などを経て、今年5月13日から5日間にかけて国内初の治療を行った。同病院ではこれまで3例の治療を実施したという。

 同病院によると、従来の治療法では、基本的に複数の脳腫瘍に対して一つずつ治療しており、一つの腫瘍に対する1回の照射時間は約20分だった。ハイパーアークを用いると、複数の腫瘍を同時に治療し、1回の照射時間は3~8分程度に短縮できる。また、線量の集中性が向上しているため、正常組織への被ばくを低減できるという。

 同技術を用いて患者の治療に当たった同病院の新野恵司医師は「複雑な放射線の照射を簡単に高精度で行うことができる。これからの転移性脳腫瘍の治療の主役になることが期待される」と話した。