避難指示の市町村...職員確保に『苦慮』 技術職の応募が少なく

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
県と県町村会が初めて開いた職員採用合同説明会。職員のなり手不足が課題となっている=1日、郡山市

 東京電力福島第1原発事故に伴い避難指示の出た浜通りの市町村で職員のなり手不足が課題となる中、県は県町村会と連携して初の職員採用合同説明会を開いた。避難市町村では帰還した人の健康管理に当たる保健師など技術職の応募が特に少なく、復興に影響が出かねない状況だ。各自治体とも職員の確保に苦慮している。

 大量採用難しい

 「震災と原発事故後、職員定数以上の業務量に対応しなければならないのが実態だ」。双葉町の平岩邦弘総務課長は、職員の充足率では言い表せない厳しい現状を明かした。

 町は96%が帰還困難区域、4%が避難指示解除準備区域。町民の生活再建や復旧・復興事業など山積する課題に対して行政職、技術職とも足りず、応援職員の派遣を受けている。技術職では保健師と、道路や施設などハード面の復興を担う土木職員が不足。町は応援職員の派遣元の自治体に継続的な支援を求め、人手不足を補いたい考えだ。

 大熊町は昨年度、大卒2人、高卒1人を募集したが、採用者はゼロ。このため社会人経験者に枠を広げて再募集した。正職員の応募が少ないという浪江町の松本孝徳総務課長補佐は「やりがいや町の魅力をどう伝えていくかが課題」と職員確保の難しさを強調。富岡町の阿部祥久総務係長は「行政サービスと復興業務を並行していくためには人員の確保が課題になるが、復興の進展や人件費を考慮すれば大量採用は難しい」と内情を吐露した。

 応援派遣も減少

 企業の好調な業績を反映してか全国的に公務員のなり手が減っており、県によると、県内では浜通りのほか、会津地方でその傾向が顕著という。7月にも始まる自治体の試験を前に、郡山市で今月1日に開かれた合同説明会には225人が出席。都市部に近い中通りの町村のブースに列ができるなど人気に差が出た。

 県は自治体の要望を受けて任期付き職員を採用、派遣しているが、県も応援職員を受けており、平常時の体制では震災対応がままならないのが実情だ。復興・創生期間の終了を控え、担当者は「復興は一段落したと捉えられ、職員の派遣が下火になるのではないか」と懸念する。

 応援職員の減少に不安を感じているのは市町村も同じ。南相馬市の西川広昭総務課人事給与係長は、北海道胆振(いぶり)東部地震など大規模災害の発生により「応援職員が減ってきている」と説明する。

 就業体験活用を

 飯舘村は震災前に比べて増加した業務を、任期付き職員や臨時職員の増員でカバーしている。保健師や認定こども園の職員の確保が難しくなっており、「技術職の人手不足はどこも同じ。競争が激しい」と明かした。

 川俣町は特に土木職員の応募が少なく、葛尾村では保健師が不足する。同村の松本弘総務課長は「震災後採用の職員が約半数を占める。経験年数の少ない職員が経験者の担当していた業務をしており、負担がかかっている」と話した。

 福島大行政政策学類の西田奈保子准教授は「売り手市場の中、民間との競争が全国の自治体共通の問題」と指摘する。技術職の確保では「短期的には中途採用者の募集が有効」と述べ、「インターンシップなど学生が(自治体の)仕事に触れる機会を増やすことも重要」と続けた。

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

【 選挙速報 】第25回参議院議員選挙・福島選挙区