「大熊イチゴ」初出荷遅れ JAが適用外農薬納入...全量廃棄に

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誤った農薬の使用により初出荷が約4週間遅れることになったイチゴ栽培施設=4月、大熊町大川原

 東京電力福島第1原発事故の避難指示が解除された大熊町大川原地区で町の農業復興に向けて4月に稼働したイチゴ栽培施設で、法律で使用が認められていない農薬を使用し、7月に予定していた初出荷が遅れる見通しとなっていることが29日、運営会社などへの取材で分かった。

 栽培施設を運営するのは、町が出資した「ネクサスファームおおくま」。同社によると、イチゴの栽培に使う農薬をJA福島さくら(郡山市)に発注したところ、誤って本来はイチゴ栽培には使えない農薬が納品された。5月に違う農薬だったことが分かったという。同JAによると、誤って納入した農薬は本来使うべき農薬と名前が似ており、担当者が品名を混同して発注したという。

 農薬取締法では、作物ごとに使用できる農薬の種類などが決まっている。初出荷を予定していたイチゴは、本来使用できない農薬を使ったために出荷できなくなり、同社はイチゴ全てを廃棄処分する。このためイチゴの初出荷が、当初の計画から約4週間ほど遅れた8月中になる見通しだ。

 同JAは「大変申し訳ないことをした」とミスを認めている。今後は、ネクサスファームから損害賠償請求を受けた上で補償金について協議し、支払う予定という。同社の社長を務める吉田淳大熊町副町長は「最初に定植したイチゴを廃棄するのはつらいが、消費者が安心して食べられるイチゴの出荷に向けて栽培を続けたい」としている。

 イチゴ栽培施設は太陽光を利用した約2.2ヘクタールの栽培施設で、一時期に収穫する「一季成りイチゴ」と収穫期間が長い「四季成りイチゴ」を栽培する。土を使わず棚の上で養分や水を与えて育てる「高設養液栽培」で年間稼働し、情報通信技術(ICT)を活用して温度などの生育環境を管理する。

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