はやぶさ2再着陸「地下物質」採取 会津大、歓喜に導いた地図

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「はやぶさ2が無事に帰還してほしい」と着陸領域をりゅうぐうの模型で示す平田上級准教授

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日午前、探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうの表面に2回目の着陸を果たし、世界初となる地下の岩石破片の採取にも成功したとみられると発表した。

 「素晴らしい、パーフェクトな成功だった」「大きなヤマ場を越えることができた」。小惑星の地中にある砂や石を採取するという世界初の偉業を成し遂げたとみられる探査機はやぶさ2。「ふくしまプライド」を背負い、搭載機器の開発などに携わった県内企業と共に、プロジェクトに参画する会津大の研究チームからも称賛の声が上がった。

 「依然としてリスクがある中で成功できたのは関係者の努力のたまもの。チームの一員として誇らしく思う」。りゅうぐうの全体像の把握や着陸場所の選定など、ミッション成功に不可欠な「3次元立体地図」作製チームのリーダーを務める会津大の平田成(なる)上級准教授(48)は2度目の着陸成功に胸を張った。

 はやぶさ2は昨年6月にりゅうぐうに到着。りゅうぐう表面の含水鉱物の分布や物理状態など、あらゆるデータの観測を実施し、地図作製をスタートさせた。当初は昨秋に最初の着陸が予定されていたため、「地図作製は時間との勝負」(平田上級准教授)だった。

 地図作製チームは周到に準備を進めてきた。自転するりゅうぐうの赤道上を飛行し、地表面をカメラで撮影するはやぶさ2。りゅうぐうに到着するまでは当然、自転の方向が分からなかった。そこでチームはCG画像を使い、直立以外のさまざまな自転軸の方向を想定。使用したりゅうぐうの画像データは約500枚に上り、ソフトウエアを使って約2カ月をかけて立体地図を完成させた。

 立体地図が大きな役割を果たしたのは、着陸場所の選定だ。「2度目の着陸は初回と比べて着陸場所の制約が多かった」と平田上級准教授。着陸場所の条件は人工クレーター脇で、かつ大きな岩石が少ない場所に限られる。成功に向け、より精緻な立体地図が必要だった。リハーサルの際にりゅうぐうに接近して撮影した画像データを使い、地表面の局所的な立体地図も作製。より正確な着陸場所の選定につなげた。

 着陸成功で、太陽系の起源の解明にまた一歩近づいた。「着陸に向けた検討に貢献できたことは光栄」と平田上級准教授。「今後は、りゅうぐうの科学的研究にまい進していきたい」と次のステージを見据えた。

 「挑戦10年、結実誇らしい」 プロジェクトメンバー・出村裕英教授

 はやぶさ2プロジェクトメンバーの出村裕英会津大教授(48)は、JAXA・宇宙科学研究所の管制室で着陸を見届けた。「福島製の衝突装置運用による人工クレーター生成が成功し、それによって地下から掘り出された新鮮なサンプルが今回のタッチダウンで採取できただろうことは非常に感慨深い」と喜びを語った。

 はやぶさ2に関する全ての観測機器に横断的に携わる会津大の研究チーム。出村教授は「教員と研究開発に関わった代々の学生、県内企業らが約10年かけて取り組んできたことが、今回結実した。大変誇らしく思う」と満足げに話した。

 プロジェクトで収集されるさまざまなデータは、会津大に4月に設立された「宇宙情報科学研究センター」で活用される予定だ。センター長でもある出村教授は「センターでの研究は、稼働中のミッションと『車の両輪』。県民の夢と希望を鼓舞するように一層頑張りたい」と決意を新たにした。

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