「参院選」野党共闘の行方焦点 熱帯びる前哨戦 

 

 今夏の参院選で改選を迎える議員が任期満了となる7月25日まで、3カ月に迫った。改選数が2から1に減る福島選挙区には23日現在、自民党、民進党の両現職のほか、共産党と政治団体「幸福実現党」の両新人の計4人が立候補を表明している。ただ民進と共産は統一候補の擁立を目指し水面下で調整を進めており、対決の構図はまだ流動的だ。熊本地震や環太平洋連携協定(TPP)などを審議中の国会日程の影響で選挙日程は固まっていないが、各党の前哨戦は熱を帯びる。

 福島選挙区に立候補を表明しているのは、自民現職で3期目の岩城光英氏(66)、民進現職で2期目の増子輝彦氏(68)、共産新人の熊谷智氏(36)、幸福実現の新人矢内筆勝(ひっしょう)氏(54)の4氏。

 岩城氏は後援会事務所を郡山市やいわき市など十数カ所に設置。自民党県連も24日に福島市で選対本部事務所開きと必勝祈願祭を行い、臨戦態勢に入る。岩城氏は昨年10月に法相として初入閣後も頻繁に本県入りしている。連立政権を組む公明党の推薦も受け、現職閣僚として必勝態勢で臨み、支持固めを急ぐ。

 増子氏は自身の後援会組織などを中心に精力的な活動を展開。17日に結成された民進党県連も28日に選対本部を設け、大型連休明けには本部事務所開きを予定する。増子氏としては参院補選(07年)も含め、対自民候補3連勝を目指す。

 一方、安倍政権の独走に待ったをかけたい野党は、共闘に向けた動きが大詰めを迎える。安保法反対などを旗印に市民団体が仲介役となる形で民進、共産、社民3党による選挙協力の協議が進む。共産党県委員会は、政策面などで一定の合意が得られれば熊谷氏擁立を見送る考え。大型連休前後にも結論が出るとみられるが、野党共闘がどういう形で実現するかも焦点だ。

 昨年12月に擁立が決まった矢内氏は、28日に福島市で記者会見して正式に出馬を表明する。

 このほか新党改革代表で今回改選を迎える荒井広幸氏(57)=2期、比例=も出馬に意欲を示しているが具体的な方向性は明言しておらず、「5月6日に自らと党の方針を示したい」と述べるにとどめている。同党は比例のほか、福島選挙区の擁立に向けても調整を進めている。