改選議員...緊迫の会期末 国会閉会、参院選『夏の陣』始動

 

 国会閉会は、7月10日投開票の参院選への号砲となった。改選を迎える現職議員は閣僚、野党統一候補、政党党首と、それぞれ異なる立場で会期末を迎えた。

 「長い国会だった」。法相で自民党現職の岩城光英は、参院内の党控室から参院本会議場に向かった。わずかの距離にも秘書官が同行して公務日程を打ち合わせる。引き締まった表情からは現職閣僚として迎える選挙戦への緊張感が伝わってくる。

 党県連会長として夏決戦を指揮する元復興相の根本匠は「公務以外は選挙区に張り付いてもらう。県連を挙げて遮二無二取り組む」と意気込んだ。

 「現職大臣との戦いだ。気を引き締めたい」。民進党現職の増子輝彦は、参院本会議終了後、テレビカメラのライトを浴びながら、報道陣の問いに語気を強めた。今回は共産、社民両党の支援を受けた野党統一候補として選挙戦に臨むだけに、気合がこもる。

 民進党衆院議員の小熊慎司(福島4区)は「町村単位の支部の組織作りも進んでいる。候補者が小まめに歩いた成果だろう」と述べ、さらに態勢固めを進める。

 「きょうからスタートではない。今は選挙戦中盤戦の終盤だ」。独特の表現で心境を語るのは現職で新党改革代表の荒井広幸。比例代表での出馬準備を進める一方、公認候補の発掘にも力を注いできた。本会議後は党代表として参院議長、副議長の訪問を受けた。

 新党改革は東京選挙区や比例など複数候補を擁立する。2日には東京都で選対事務所開きや最終となる第4次公認候補の発表を予定している。(文中敬称略)