自公は組織フル回転、野党「対安倍」結束 参院選・後半戦入り

 

 第24回参院選は1日、投開票の10日に向け選挙戦の折り返しを迎えた。1議席を争う福島選挙区では、3候補が県内をほぼ一巡、各地で個人演説会や街頭演説を重ねている。報道各社の世論調査情勢などを分析し後半戦の戦略を描く各陣営は、党や支援団体など組織を固めるほか、無党派層を中心とした浮動票の取り込みも徹底する構えだ。

 岩城光英候補は「全県下で500カ所の集会」を目標に、党組織や県議、市議らの後援会などの組織をフル回転させ、各地で演説会、ミニ集会を重ねている。現職閣僚や党幹部も連日本県入りし、連立を組む公明党と共に組織を挙げた選挙戦を展開している。

 陣営は30日、福島市で友好団体代表などが出席した選対会議を開き、後半戦の戦略などを確認。自民党総裁特別補佐の下村博文選対副委員長は「ほとんど拮抗(きっこう)に近い形になってきた」と前半戦の手応えを示し、党支持層や友好団体の一層の票固めを指示した。

 増子輝彦候補は県内全域で上積みを目指す一方で、地元候補がいない衆院福島1区や同4区を重点化。総合選対の中核をなす民進党県連の地方議員や後援会、連合福島などが「1人5人への声かけ運動」を展開する。大票田の都市部や若者、女性などの無党派層の支持拡大にも力を入れている。

 陣営は、共闘する共産、社民との連携にも日を追うごとに手応えを感じており30日は福島市で公示後初の合同演説を実施。民進党の枝野幸男幹事長は「安倍政権の憲法改正や格差拡大を止める点で野党は一致している」と結束を強調した。

 矢内筆勝候補は福島、郡山、会津若松、いわきの4市を中心に遊説。放射線量の安全性を正しく発信する政策を中心に、若者への浸透に手応えも感じている。