「女性活躍」もっと声高に 参院選、有権者「主張届いてこない」

 
「女性の活躍」に関する施策に期待する声が上がるが、主張に物足りなさを感じる有権者もいる

 参院選の投開票(10日)が近づき、各陣営の必死の訴えが続く。労働環境の改善や子育て支援など「女性の活躍」に向け活発な論戦が期待される中、女性の有権者からは「主張が届いてこない」「もっと発信してほしい」などの声が上がった。各候補は公約に女性活躍の施策を掲げるが、復興や経済政策に埋もれると感じる有権者もいる。

 「子育て世代に(候補者の)思いは届いていないのではないか」。生後3カ月の男児を育てる郡山市の主婦(31)は語った。主婦は、夫の残業が多く、専ら1人で子育てをしている。「夫婦で安心して子育てできる環境を整備してもらいたい」と願うが、候補者たちがどれだけ女性の活躍に熱を持っているかは分からない。ワーク・ライフ・バランスの見直しなど、候補者の真剣度を見極める考えだ。

 選挙戦で経済や安全保障について議論が続く一方で、「女性活躍に関する議論が低調」と感じる有権者も。県婦人団体連合会長を務める郡山市の小林清美さん(73)は、女性活躍に対する社会の機運の高まりを歓迎し、期待していたが、「働きやすい環境づくりなど課題が多いのに十分な議論が行われていないのではないか」と疑問を投げ掛けた。

 「保育園落ちた」の匿名ブログで待機児童問題は一気に広まった。いわき市の自営業(63)は「女性が生き生きと働くには安心して子どもを預けられる場所が必要」とするが、問題に対し発信力が弱いのではないかと感じている。

 各陣営とも女性活躍を重点施策に位置付けるが、一方で各候補の演説などで、女性活躍の訴えはあまり目立たない。ある陣営の選対幹部は「女性活躍を声高に訴えれば受けはいいし、女性票は増えると思う。ただ、まずは復興。女性の可能性がつぶされないような施策はもちろん必要だが、限られた時間の中で訴えるにはメインにはならない」と、「女性の活躍」の優先順位を下げざるを得ない本音をつぶやいた。