どうしたら違反?...若者から困惑の声 参院選、ルール浸透課題

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新たに有権者に加わった高校生ら。新有権者には選挙違反などについて知ることも求められている

 「正直、何が違反なのかよく分からない」。選挙年齢が「18歳以上」に引き下げられた第24回参院選。選挙違反の取り締まりを担う県警内部からは「若者たちが公選法を知らずに選挙違反を犯す恐れがある」と心配の声も上がる。新有権者は、新たな権利と同時に公選法順守という義務も課せられた形で、若者たちから困惑の声も聞かれる。

 「投票に行きましょう」。県内で数年前に行われた地方選挙。ある候補者が卒業した学校の運動部で、所属する生徒に対し、保護者に投票に行くよう呼び掛ける文書が配布された。候補者名などは書かれていなかったが、学校や部活動との関係から、特定の候補者への投票を促すものと受け取られかねない内容だった。法定外の文書を配布する公選法違反の疑いがある。

 捜査関係者は「今後はこういった文書は、有権者である生徒にも影響が及ぶ」と指摘する。「例えば、友人から『うちの父が○○さんに投票してほしいと言っている。そのうち夕食でもおごるから』『投票所入場券を貸してくれ』などと言われた時、生徒は『選挙違反になるかも』とは考えが及ばないのではないか」

 また、新たな有権者は選挙運動もできるようになるが、電子メールによる投票依頼は禁止されているなどのルールもある。高校生にとって電子メールは身近な存在だけに、知らないうちに公選法に触れる可能性がある。

 今回の参院選で投票権を得た福島西高3年の清野敏洋さん(18)=伊達市=は「知人から『あの候補者に投票して』と薦められたら、そのまま投票してしまうかもしれない」と話す。県選管などは、ホームページで新有権者向けの啓発資料を掲載しているが、浸透しているとは言い難い。県教委は県立高教員らを対象に研修会を開き、生徒の選挙運動、政治的活動などの留意点を説明した。ただ、どのように生徒に周知するかは各学校に委ねられている。

 捜査関係者は「公選法は公正な選挙を行うためのもの。『選挙違反になるかも』と投票から遠ざかるのではなく、何が違反で何が違反でないのかをきちんと知ることが重要だ」と語る。刑事法が専門の高橋有紀福島大行政政策学類准教授(32)は「選挙権年齢の18歳への引き下げで学校教育で選挙を学ぶ機会も増えており、選挙を公平に行うためのルールを教育の中でより周知していく必要があるのではないか」と話した。