岩城さん、力及ばず...「総力戦」あと一歩 参院選・福島選挙区

 
敗戦の弁を述べ支持者らに頭を下げる岩城さん=10日午後10時45分、福島市太平寺の選挙事務所

 現職同士、1議席を争う激戦を戦い抜いた自民党の岩城光英さんに、吉報は届かなかった。福島市の選挙事務所に民進党現職候補の「当選確実」が伝わると、集まった支持者は現職大臣が議席を失ったショックで言葉を失った。

 「追い掛けて、追い掛けて、最後に追い抜く」(県連幹部)と誓った選挙戦だった。民進党候補とは6年前の参院選でも戦い、岩城さんは2位当選。今回、岩城さんは「当選できるのは1人だけ」と"必勝はちまき"を頭に巻いて県内を駆け巡り、「復興加速化の流れを止めるわけにはいかない」と声をからした。

 党本部、党県連、支援団体なども総力を結集して支援したが、及ばなかった。

 岩城さんは「国会議員、県議、市町村議員が結束し、与党主導で復興加速化のために尽力いただきたい。ただ、そのことを願うばかりです」と目を赤くして語り、頭を下げた。

 地元、涙ながらに悔やむ

 現職閣僚落選の一報に地元の支持者は肩を落とした。いわき市鹿島町の岩城さんの事務所には、開票前からたくさんの支持者が詰め掛けて当選の知らせを待ったが、思いは届かなかった。

 市議、県議、市長、参院議員と、岩城さんの政治家人生を共に歩んできた支持者も多く、接戦が伝えられた中でも勝利を信じていた。「最後は勝つと思っていたのに」。支持者の一人は涙ながらに悔やんだ。