自民、福島県「議席」守り歓喜 各党関係者、野党は厳しい表情

 
福島選挙区で森氏の当選が伝えられ喜びに沸く関係者ら=21日午後8時すぎ、福島市

 県内各党の関係者は21日、候補者の選挙事務所や県連事務所などに集まり、支持者と共に刻一刻と変化する開票状況を見守り、情勢を分析した。当選が決まった候補者の事務所は喜びに包まれ、大きな拍手が湧き上がった。

 危機感結束の組織戦

 【自民】森雅子氏が3選を果たし、福島選挙区の議席を守った自民党県連は、党員や党友に加え、約140に上る支援・友好団体が「議席死守」という危機感を持ち、一致結束した組織戦を展開したことが勝因とみる。

 県連は、2016年参院選で自民の現職閣僚が野党統一候補に敗れた苦い経験を踏まえ、公示前から「厳しい選挙戦になる」と連呼し、組織力を結集。総合選対本部長を務めた佐藤憲保党県連常任顧問は「草の根の運動を展開したことが結果に結び付いた。実績や期待感が多くの県民に広がり、選挙終盤は手応えを感じていた」と分析する。野党統一候補との激戦を制し、太田光秋幹事長は「この流れを止めるわけにはいかない」と気を引き締めた。

 まる再編の必要性

 【野党】水野さち子氏を擁立した野党陣営は、無党派層への浸透を戦略の中心に据え、経済格差や社会保障など身近な課題の解決を掲げるとともに与党批判を展開したが、投票率は低調で有権者の関心は高まらなかった。

 選対本部長の増子輝彦参院議員は、水野氏の出馬表明の遅れを念頭に「(新人候補を)浸透させるには時間が足りなかった」。大臣経験者である自民党現職に対し、知名度不足が尾を引いたとの認識を示した。

 また、分裂に伴い旧民進党系の求心力が低下し、自身が野党統一候補として自民の現職大臣を破った前回参院選とは異なる状況だったとも指摘。「(候補者を支えた)われわれの力不足だった。野党再編の必要性が高まっている」と総括した。