【18歳選挙権】(6)新聞の役割 判断力を養う「教材」

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出版局の生徒たちと選挙権について意見を交わす武内さん(左)。新聞に生徒たちの判断力養成を期待している=相馬高

 相馬高出版局(新聞部)の部室。来年4月で18歳を迎え、夏の参院選で選挙権を得る部員の波多野未穂さん(17)=2年=が口を開いた。「最初の選挙だから投票には行きたいが、受験前で考える余裕があるかどうか」。他の部員も続く。「何を材料に判断すればいいのか」。選挙権を得る期待以上に、部内は戸惑いの声が支配的だ。

 「選挙権年齢の引き下げで、新聞が果たす役割はさらに重要性を増す。NIE(教育に新聞を)が本当に求められる時代が来た」。県内五つの高校で、25年以上にわたって新聞部顧問を務めてきた、同校教諭の武内義明さん(58)は強調する。「時事問題を知るだけでなく、各紙の論調を読み比べて『なぜ違いが生まれるか』を考える。その積み重ねが判断能力につながっていく」

 武内さんは、判断能力が成熟していない生徒が誤った方向に誘導される可能性を危惧する。新聞に期待するのは、生徒がただ世相を知るだけでなく、各紙を読み比べて議論の争点と対論を知り、全体像を見据える視野と判断力を養う機会の提供だ。「時事問題について、生徒がどのようにして自分の問題として捉えるか。新聞に書いてあることを教師もかみ砕き、議論の糸口を示す必要がある」と指摘する。

 一方で教育現場だけでなく、報道にも中立的な立場の必要性を感じている。家庭で読む新聞が偏向的な報道をしていた場合、高校生であればなおさらミスリードされかねないと懸念する。「中立であれば理想的だが、他紙と見比べて物事を考える。そうした新聞の読み方も高校生に教えていかなければならない」。その上で、武内さんは生徒たちに投げかける。「若い世代が投票しないと、若い世代を無視した施策をされても文句は言えないよ」