学校現場、歓迎と不安 高校生の政治活動、中立性確保「難しい」

 

 文部科学省が29日通知を出した高校生の政治活動の一部容認。県内の学校現場からは歓迎する声とともに、政治的中立を確保する難しさなどを指摘する意見が上がった。

 福島商高公民科の渡部純教諭(42)は通知について「政治活動を制限しながら政治への関心を深めるというのは矛盾しているので、開かれた政治活動の場を広げていくことは大切」と肯定的に受け止める。

 ただ「政治的中立を求められる中で、生徒の政治活動の範囲について指導するなど、教員や学校がどこまで関与できるかを判断するのが難しい」と説明。「インターネットが発達する中で校内外の活動の線引きが曖昧になっている難しさもある」と懸念も示す。

 福島市で今月開かれた県北地区高校地理歴史・公民科研究会では、選挙権年齢の引き下げを見据えた模擬選挙の実施方法を議論する中で、「教員が萎縮したのでは生徒の主権者意識を育てる授業ができない」との声があった。研究会に参加した渡部教諭は「曖昧な部分を明確にして生徒に伝え、生徒が自由に意見を言えるような授業にすることが大切」と強調した。