【福島県議選・前線ルポ】自民、民主の少数激戦-田村市・田村郡

 

 立候補者が前回より2人減り、2議席確保を目指す自民と、議席奪還に燃える民主による少数激戦。前回落選した三春町を地盤とする自民候補、田村市船引が地元の民主候補が得た1万2千票余りがどう動くのかが焦点だが、各陣営は特に船引の集票に懸命だ。選挙区は国会議員2人の地元でもあり、ある陣営は「国政と県政で支持政党が異なる有権者も多く、票をどうまとめるかが鍵」とみる。

 自民現職の先崎温容は地盤の田村市滝根と小野町の票固めを急ぐ一方、船引での支持拡大に全力を挙げる。4年前は無所属で出馬した現職本田仁一は今回、自民公認で立候補。地元の田村市常葉と隣接する船引を固め、三春、小野両町の党支持層への浸透を図る。

 元三春町議の新人三瓶正栄は3度目の県政挑戦で初めて民主公認を受けた。元外相の後援組織も総動員し、地元や船引の党支持層を固めながら上積みを図る。

 票田石川町に注力

 【石川郡】前回、民主が初めて議席を獲得した選挙区。民主現職、無所属新人の前回と同じ顔ぶれに、自民が女性新人を擁立し、議席奪還を狙う。各陣営は当選ラインを1万票と見据え、票田の石川町での得票に注力する。

 民主現職の円谷健市は衆院議員の後援組織を基盤に支持拡大を目指す。前回獲得した1万票を目標に地元での票固めを急ぐ。

 自民新人の永山美穂は出馬表明が2カ月前と遅れたが、郡内全5町村に後援会を設立。元少子化相秘書として党支持層の組織がフル回転、議席奪取へ燃える。

 前回、自民党推薦で8千票を獲得した野崎正夫は今回は無所属での出馬。地元の古殿町を中心に草の根の活動で支持拡大を訴える。

 新地町の票に注目

 【相馬市・新地町】前回は無投票で、新地町を加えた新選挙区として初の選挙戦となった。議長の自民現職に、無所属新人が挑む。ともに相馬市を地盤としており、新地町の票の動きに注目する。同じ15日投開票の相馬市議選、新地町議選も絡み、両陣営は投票率の動向を注視しながら票の掘り起こしに懸命だ。

 自民現職の斎藤勝利は地元首長や公明などの支援を受け、実績をアピール。後援会組織を駆使し、票の上積みを目指す。

 無所属新人の新妻香織は政党に頼らず、ミニ集会などで浸透を図る。新地町の票が鍵を握るとみて重点的に草の根活動を展開する。(敬称略)