新県議決まる 白河市・西白河郡、田村市・田村郡、石川郡、東白川郡

 

 15日に投開票が行われた県議選で、県南地域では白河市・西白河郡、田村市・田村郡、石川郡、東白川郡の4選挙区で新県議が決まった。石川郡では現職1人、白河市・西白河郡では現職3人が新人を退け当選を果たし、現職の強さを見せた。一方、東白川郡では新人が現職との一騎打ちを制した。田村市・田村郡では現職1人、新人1人が当選した。各選挙区の戦いを振り返る。

 当選者3人、得票減

 【白河市・西白河郡】合区となり2度目の選挙戦は、現職3人がいずれも4選を果たした。

 自民の渡辺義信氏は白河市を中心に西白河郡でもバランス良く支持を得て、前回に続きトップ当選した。

 自民の満山喜一氏は白河市で最多8000票を獲得、西白河郡の各町村でも前回より票を伸ばした。

 民主の三村博昭氏は地元矢吹町と泉崎村で票を集めたほか、白河市でも3000票余りを得た。

 無所属の金山屯氏は無党派層の取り込みを図ったが、浸透しなかった。

 投票率は前回から約6ポイント低下し41.03%。当選者3人はいずれも得票数を減らした。当選者には住民が県政を身近に感じられる取り組みを進めてほしい。

 民主が1議席奪還

 【田村市・田村郡】現新3人が2議席を争った少数激戦は、新人の三瓶正栄氏が自民現職を破り初当選、民主が1議席を奪還した。

 前回に続きトップ当選した自民現職の本田仁一氏は、地盤の常葉町と船引町で着実に票を獲得。市議有志の協力もあり同市で前回より2000票以上を上積みした。

 民主新人の三瓶氏は、地元三春町で投票数の約8割の票を獲得した。地元衆院議員後援会の支援もあり、田村市、小野町での得票も前回を大きく上回った。

 自民現職の先崎温容氏は地盤の小野町で他候補を上回る支持を得たが、再選には一歩届かなかった。浮動票獲得に力を入れたが、田村市で票が伸び悩んだ。

 投票率は60.70%で前回より0.97ポイント下がった。

 「地元の利」生かす

 【石川郡】自民、民主、無所属の現新3氏による激戦は、民主現職の円谷健市氏が地元石川町の得票で他を突き放し、逃げ切った。

 円谷氏は玄葉光一郎衆院議員後援会を柱に農業団体や連合、社民党石川総支部などが支援。自民参戦に危機感を強め、組織が結集した。3町村で自民新人の永山美穂氏に競り負けたが、石川では永山氏に1244票差をつけ勝負を決した。有権者の地元候補への意識が有利に働いたとみられる。

 永山氏は須賀川市出身ながら、自民組織の強力な後押しを受けて急速に浸透。円谷氏に808票差と迫ったが、石川に食い込みきれなかった。3度目の挑戦の無所属新人の野崎正夫氏は草の根の戦いで臨んだが、他の組織戦にのまれた。

 違い強調、支持訴え

 【東白川郡】自民の新人宮川政夫氏と民主の現職立原龍一氏が一騎打ちを繰り広げた選挙戦は宮川氏に軍配が上がった。

 同じ棚倉町を地元とする候補同士の争い。明確な争点が見いだしにくい中で、両陣営は政策や実績など、対立候補との「違い」を強調し、しのぎを削った。

 宮川氏は党組織を生かして知名度と政策浸透を図り、支持を集めた。鍵と位置付けた地元棚倉町で3年前に出馬した町長選とほぼ同数の得票を集め、地元での支持の強さが際立った。

 新人を迎え撃つ立場となった立原氏は2期8年の実績と県との太いパイプを強調し、後援会組織を中心に支持の拡大を図ったが、地元棚倉町での票固めに苦戦した。