学校新聞「選挙身近に」 若松・ザベリオ高生、意欲のスイッチオン

 
完成した新聞を手に取る須田さん(右)と渡部さん

 選挙権年齢の引き下げに伴い、選挙について考える取り組みを進めている会津若松市のザベリオ高の「18歳選挙権を考える会」は25日、昨年9月から取り組んできた模擬投票や意識調査などをまとめた学校新聞を製作し、生徒に配布した。活動前までは「あまり選挙に関心がなかった」という同会代表の須田康太郎さん(2年)は「活動を通し以前より政治に興味が持てた。興味がない人にも自分から行動してもらえるよう取り組みを進めたい」と活動へ意欲を高めた。

 新聞には、同会が昨年7月の市議会議員選挙を題材に全校生徒約580人に行った模擬投票の分析結果を掲載。「投票時に重視した基準」に関するアンケート結果も報じた。意識調査では「選挙権があれば投票に行く」「おそらく行く」と答えた生徒は62%となり、「投票すべきと思うから」という理由が最も多かった。「おそらく行かない」「行かない」は25%で、「投票しても政治がよくなるとは思えない」との理由が最多だった。

 800部を印刷し、全校生徒に配布。生徒の反応について須田さんは「クラスで配られている様子を見たけれど、反応はあまりなかった」と素直な感想を話す。「以前の自分のように、政治や選挙に興味のない人がたくさんいるのが分かった。そういう人たちに理解を深めてほしい」と、新たな目標を語った。

 原稿作りや見出しを付ける作業に携わった同会の渡部友基さん(同)は「新聞が学校の仲間に何か感じてもらえる機会になってほしい」と作業を振り返った。

 同会担当で社会科主任の吉田涼作教諭(32)は「新聞を手に取った生徒が、すぐに何か選挙に備えて行動するかといえば難しい」と分析、今の段階では18歳選挙権について受け身の生徒が多いとの認識を示した。吉田教諭は「実際に参院選で投票した生徒へのアンケートと模擬投票の結果を比較してみたい」と話している。