新議員、決意新たの「当選証書」 7町村議選・戦いの跡

 
当選証書を受ける三村氏=矢吹町役場

 任期満了に伴う天栄、矢吹、矢祭、玉川、平田、古殿の6町村議選の当選証書付与式は28日、各町村で行われ、新議員が決意を新たにした。29日に式が行われる塙町議選も含め、27日に投開票された7町村議選を振り返る。

 【玉川村議選・戦いの跡】村就業改善センターで行われた。岡部勝良村選管委員長がトップ当選の小針竹千代氏ら当選者一人一人に当選証書を手渡し「地方創生の推進を確かなものにするために尽力を」とあいさつした。新議員の任期は31日から4年。

 定数12に対し、現職10人、新人3人の計13人が立候補。少数激戦の選挙戦は、トップをはじめ新人全員が当選した。

 トップの新人は幅広い地縁、血縁を生かして支持を広げた。2位の現職は前回12位から躍進。実績の評価に加え、引退した議員の票が流れたとみられる。

 新人1人が加わり3人が立候補した竜崎地区は激戦場となり、現職1人が涙をのんだ。投票率は80・25%で前回から0・34ポイント上昇。一方で争点は見えにくかったため、議会での政策論争に期待したい。

 【平田村議選・戦いの跡】村役場で行われた。吉田正人村選管委員長がトップ当選の根本定雄氏ら当選者一人一人に当選証書を手渡し「平田村の振興のため、ご尽力とご活躍を心から期待する」とあいさつした。新村議の任期は31日から4年。

 定数を3人オーバーした激戦は、新人4人が全員上位当選し、新人の勢いが際立つ結果となった。知名度や後援組織が生き、新人ならではの期待票も取り込んだとみられる。

 現職は1人を除いて前回より得票を減らした。昨年7月の村長選に立候補した元職は返り咲きを果たした。新人4人が加わり、今後の議会構成が注目される。

 統合中建設やジュピアランドひらたの観光開発など大規模事業が続く中、今後どう生かしていくかが課題となる。新たな村づくりへ新議員が果たす役割は大きい。

 【古殿町議選・戦いの跡】町役場で行われた。佐藤憲治町選管委員長がトップ当選の矢内泰吉氏ら当選者一人一人に当選証書を手渡し「町勢発展のため尽力いただきたい。今後のご活躍を期待する」とあいさつした。新議員の任期は31日から4年。

 新人4人が立候補するも、現職が全員当選し、強さを見せた。

 新人は1人が2位に食い込んだが、現職の壁は厚く、1人は12位、2人が落選した。投票率は85・01%で過去最低を更新。現職優勢ムードも影響したとみられる。

 この4年間は、町民第1体育館の立て替え方針などをめぐり、執行部と議会の調整不足ともいえる場面があった。町勢発展や課題解決に向けては、両者が車の両輪となって進めていく姿勢も必要。安定した議会運営で、より良い町づくりの議論を重ねてほしい。

 【塙町議選・戦いの跡】定数14をめぐる少数激戦の選挙戦は現職9人、新人5人が当選し、現職1人が涙をのむ結果に終わった。

 トップ当選は新人の七宮広樹氏で723票。2番手以下を200票以上引き離す得票で、高い支持を集めた。新人候補らが当選ラインと目された300~350票を超える中、4年前の選挙戦で得票上位だった現職候補が当落を争う結果となり、票固めに苦戦したことがうかがえる。

 投票率は前回の83.60%から3.66ポイント減少し、79.96%と、わずかながら80%台を割った。

 【天栄村議選・戦いの跡】村役場で行われた。石井一郎村選管委員長がトップ当選の後藤修氏(72)ら当選者に当選証書を手渡し、「村民に選ばれた代表として、村の発展、住民のために活躍してほしい」とあいさつした。新村議の任期は31日から4年。

 告示日間近に新人の出馬表明が相次ぎ、定数10に対して現職9人、新人3人が立候補、8年ぶりの選挙戦になった。投票率は78・61%(前回無投票、前々回比6.03ポイント減)で、期日前投票者数は過去最高の1107人だった。

 後藤修氏が485票でトップ当選、新人は3人中2人が当選を果たした。また女性候補2人が落選したため、8年ぶりに女性がゼロとなった。新議員は住民の意見を村政に反映するほか、これまで以上に女性の声にも注意深く耳を傾ける必要が出てきた。

 【矢吹町議選・戦いの跡】町役場で行われた。鈴木博知町選管委員長がトップ当選の三村正一氏ら当選者一人一人に当選証書を手渡し「有権者の負託を受け止め、町民生活の安定のため貢献することを期待します」とあいさつした。新町議の任期は31日から4年。

 27日の投開票の結果、14人の新議員が誕生した。新人5人は、上位2人を占めた一方、残る3人は落選し、明暗が分かれた。

 トップ当選の新人は元JA専務で、2位の新人は町内の美化活動に取り組んでいた。いずれも選挙期間前からの取り組みが評価され、知名度の高さも生かして票を集めた。

 町は震災復興が一段落し、4月から第6次まちづくり総合計画をスタートさせる。町の発展に向けたレールを敷くため、活発な議会運営を求めたい。

 【矢祭町議選・戦いの跡】松本一郎町選管委員長がトップ当選の鈴木正美氏ら当選者一人一人に当選証書を手渡し、「町民の期待に応え、町勢伸展に貢献してほしい」とあいさつ。古張允町長が「町の発展のために共に力を合わせて頑張っていただきたい」と祝いの言葉を述べた。

 定数10に対して現職5人、元職3人、新人3人が立候補して少数激戦を展開した選挙戦は元職、新人の6人がいずれも当選を果たすなど活躍が目立った。

 現職9人の半数近くが出馬しない中で行われた選挙戦。各候補とも新たな票の獲得がポイントだった。トップは元職の鈴木正美氏の686票。前回の選挙戦で落選した元職の鈴木一氏も前回と比べて300票以上得票を増やした。

 投票率は84.78%で前回の87.56%から2.78ポイント減少したものの、依然高い水準を維持した。