「飯舘村長選」終盤の情勢 避難指示解除争点、舌戦を繰り広げる

 

 任期満了に伴う飯舘村長選は16日の投票に向けて終盤戦に入った。現職の菅野典雄候補(69)=5期=と、前村議で新人の佐藤八郎候補(65)の無所属2候補が、来年3月31日の帰還困難区域を除いた避難指示解除を最大の争点に舌戦を繰り広げている。

 菅野候補は避難指示後、政府と交渉し実現した政策など実績を強調。避難指示解除後の「新たな村づくりによる復興の加速化」を訴える。現職村議8人のうち7人の支持を得て村議と一体となった遊説を展開。ミニ集会を各地で開催したり、電話による呼び掛けで票固めに奔走している。

 佐野幸正選対本部長は「現職でなければ村を復興できない」と話す。

 佐藤候補は「避難指示解除の白紙撤回」を公約とし、村民合意を得て中長期な展望による村再生を主張している。現職が進めてきた復興策に対する批判票の取り込みを狙う。避難中で会いづらい村民に電話で呼び掛けたり、後援会関係者と一緒に支持者に会ったりして支持拡大を図っている。

 斎藤広寿選対本部長は「勢いがついてきた。公約を訴え続けたい」と話す。

 両陣営ともに投票率は、市町村合併の是非が争点となった12年前の村長選の90.09%よりも大幅に低下すると予想している。今回は70~75%と見込んでおり、当選ラインは2000票付近とみている。