飯舘村長に菅野典雄氏 新人・佐藤氏破り6選、避難解除を支持
任期満了に伴う飯舘村長選は16日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属で現職の菅野典雄氏(69)=5期=が、前村議で無所属新人の佐藤八郎氏(65)を581票差で破り、6選を果たした。任期は27日から4年。
12年ぶりに選挙戦となった同村長選は、来春に予定されている村の避難指示解除を最大の争点に激戦を展開。現職の菅野氏が解除時期の白紙を掲げる佐藤氏との戦いに勝利したことで、来年3月31日の帰還困難区域を除く避難指示解除に向けた動きは予定通り進む見通しとなった。
菅野氏は、震災と原発事故後に政府と交渉して実現してきた施策や村長5期の実績などを強調。加えて、3月31日の避難指示解除後の「新たな村づくりによる復興の加速化」を訴えた。村民は村内の復興策を推し進める菅野氏の実績と姿勢に一定の評価を下し、再び村政のかじ取りを託した。
投票率は70.84%で、市町村合併の是非などを争点に12年前に行われた村長選の90.09%を19.25ポイント下回った。
当日有権者数は5236人(男性2624人、女性2612人)。菅野氏への当選証書付与式は17日、村役場で行われる。
菅野氏、『復興前進』訴え続ける
16日に投開票が行われた飯舘村長選は、有権者が「村政の継続」を選択した形となった。
6選を果たした現職の菅野典雄氏(69)は6月村議会で出馬を表明した。避難指示解除を「ゴールではなく復興のスタート」とし、新人で前村議の佐藤八郎氏(65)が掲げた「避難指示解除の白紙撤回」の公約を真っ向から受け止め、復興の前進を訴え続けた。
菅野氏は、村議の大半の支持を得て、仮設住宅を中心に遊説を展開。各地でミニ集会を開き、支持を広げた。また、接戦になると分析した後援会が選挙最終盤まで会合などで組織の引き締めを図るとともに、電話で有権者に支持を呼び掛けて票固めに奔走した。
佐藤氏は9月中旬に村議を辞職して立候補した。菅野氏の復興策に対する批判票の取り込みを図ったが、あと一歩及ばなかった。
◇飯舘村長選開票結果(選管最終)
当2,123 菅野 典雄 69 無現
1,542 佐藤 八郎 65 無新