松本葛尾村長が退任 迅速な避難対応決断、現職最長7期28年

 
職員らに見送られ退庁する松本村長(右)

 葛尾村の松本允秀村長(78)は11日、任期満了に伴い退任した。退任式が同日、村役場で行われ、県内の現職では最長の7期28年にわたり村政を担った松本村長を職員や村民がねぎらった。

 式には全職員約60人が出席。松本松男総括参事が「震災後の困難な局面でも的確な判断をしていただいた」と感謝の言葉を述べた。松本村長は「全ての事業は職員の発想があってこそできた」と感謝を伝え、「互いの違いを認め合いながら明るい職場で復興に当たってほしい」と職員を激励した。最後は、職員や村民に見送られながら役場を後にした。

 松本氏は同村出身、双葉高卒。村議2期、村助役などを経て1988(昭和63)年に初当選。双葉地方町村会長、県町村会長を務めた。原発事故直後には政府の避難指示がない中で全村民の避難を決断。迅速な対応が評価され、国際的な環境団体「グリーンクロス・インターナショナル」が贈る2013年の「グリーンスター賞」に選ばれた。

 松本村長の退任に合わせ、猪狩省造村教育長(68)も退任した。村長選で初当選した篠木弘氏(65)は14日、初登庁する。