「衆院選」福島県内15人準備 選挙展望、各党は擁立作業進める

 

 2017年は、県内16の市町村長選が予定されている。福島市、郡山市、いわき市のほか、震災と原発事故の影響が色濃い双葉町や富岡町、広野町などでリーダーが決まる。前回4年前は「現職落選ドミノ」と注目され、当選した新人は今回が1期目の成果を問われる。議員選は6町村で行われる。次期衆院選に向けては県内各党が候補者の擁立作業を進めている。

 次期衆院選に向けた県内各党の動きは、解散時期を巡る思惑から、慌ただしさを増した。

 自民党県連は、福島1区に現職亀岡偉民氏(61)=3期、2区に現職根本匠氏(65)=7期、3区に3区支部長の新人上杉謙太郎氏(41)、4区に現職菅家一郎氏(61)=2期、5区に現職吉野正芳氏(68)=6期=を擁立する方針。

 2014(平成26)年12月の衆院選小選挙区で菅家氏が落選し、比例東北で復活当選した4区は議席奪還を、小選挙区、比例東北ともに議席を得られなかった3区は議席獲得を目指す。

 民進党の県内小選挙区の公認候補は、1区が現職の金子恵美氏(51)=1期、2区が新人の岡部光規氏(48)、3区が元外相で現職の玄葉光一郎氏(52)=8期、4区が現職の小熊慎司氏(48)=2期=となっている。5区は、現時点で党公認候補となっている元衆院議員の吉田泉氏(67)が、次期衆院選に出馬しない意向を固めており、後任候補者の人選が進められている。

 公明党は、比例東北で獲得した真山祐一氏(35)=郡山市、1期=ら2議席の死守を目指す。

 共産党は、1区に党県委員会委員で元福島市議の斎藤朝興氏(73)=福島市、2区に党郡山安達地区副委員長の平善彦氏(64)=二本松市、3区に党県南地区常任委員で元須賀川市議の橋本健二氏(68)=須賀川市、4区に党会津地区常任委員の古川芳憲氏(66)=磐梯町、5区に党県常任委員の熊谷智氏(37)=福島市=を擁立する。

 社民党は、県内2、4、5の小選挙区を重点に候補者の擁立作業を進めている。

 野党共闘、実現は不透明

 一方、昨年夏の参院選で候補者を一本化した民進、共産、社民3党の野党共闘の動向も注目される。

 民進党県連は、党本部の議論の結果を踏まえて対応を検討する考え。県連の最大の支持母体である連合福島は、共産党との統一候補の擁立に否定的な姿勢を示しており、共闘が実現するかは不透明な情勢だ。

 共産党県委員会の久保田仁委員長は「野党共闘が実現すれば多くの選挙区で与野党が逆転できる」と意欲を見せ、候補者を一本化する場合は党所属の候補者を取り下げる考えも示す。ただ、小選挙区で最低でも一つ党所属の統一候補を擁立したい意向ものぞかせる。

 社民党県連は「白紙から再考する」としている。