「西郷」...県南から突然の分断 衆院選挙区・福島4区編入案

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 衆院選挙区画定審議会(区割り審、会長・小早川光郎成蹊大客員教授)は19日、小選挙区の定数を「0増6減」し「1票の格差」を是正する区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。定数1減対象の6県に、本県など格差を是正する13都道府県を合わせた計19都道府県の97選挙区が対象。本県では、これまで会津を範囲としていた福島4区に県南の西郷村(現福島3区)を編入する案が示された。

 「県南に強烈な分割線を入れられた。一体感をそぎ、大きな違和感を感じる」。19日夕、県を通じて「福島4区への編入」の連絡を受けた西郷村の佐藤正博村長は、その直後に開いた記者会見でこう憤った。「(福島3区に)戻せるものなら戻してほしい」。村は20日、県を通じて国に区割り改定についての説明を求める方針だ。

 西郷村には東北新幹線と東北線のJR新白河駅、東北道白河インターチェンジなど県南の交通の拠点があり、白河市や西白河郡の各町村などと連携しながら地域振興を進めてきた。佐藤村長は、衆院選を除く行政運営については「これまでを踏襲し、(県南の)絆を強めていく」と強調した。一方で、白河市の幹部は「何でも一緒に取り組んできたのに、なぜ西郷だけが...」と戸惑いを隠せない様子だ。

 国から一方的に区割り変更を迫られる有権者の不安は大きい。西郷村の主婦鈴木美枝子さん(68)は「村民の気持ちを軽視している。数合わせのためなら考えを改めてほしい」と話した。佐藤村長は記者会見で、複数の村民から「村長は同意したのか」と問われたことを明かした。

 西郷村をはじめとする県南は、中選挙区を採用していた頃の旧福島2区では会津と同じ選挙区だった。2008(平成20)年には県南、会津にとって悲願だった国道289号「甲子道路」が全線開通した。それでも佐藤村長は、伝統文化や経済圏、生活圏などが全く異なる浜通り、中通り、会津を諸外国の「州」に例えた。「州から外れる形になる。4区の中の西郷が、どんな位置づけになるのか」