投票率「45.21%」...関心低下を反映 浪江町議選・戦いの跡

 
二本松市岩代支所で行われた開票作業=23日夜

 23日に投開票が行われた浪江町議選は、東京電力福島第1原発事故に伴い町内に出されていた避難指示が帰還困難区域を除く地域で3月31日に解除されて初めての選挙だったが、投票率が45.21%と4年前の前回の53.81%を8.60ポイント下回り、長引く避難生活で有権者の関心の低下が反映された選挙結果となった。

 現職12人、元職1人、新人4人が立候補した今回は、馬場績氏が721票で前回に続きトップ当選。新人の石井悠子氏は県内外で支持を伸ばし619票を獲得、同じく新人の半谷正夫、高野武、紺野則夫の3氏も300票以上を集め、町政への新たな風を期待する有権者の票をまとめた。現職の吉田数博、紺野栄重、山崎博文の3氏は500票以上を獲得し、手堅くまとめた。

 各陣営は町の復興や町民の健康管理などを訴え選挙戦を展開した。しかし、終盤では、各陣営から「支持を呼び掛けても、そもそも選挙戦が行われているということが知られていなかった」といった声も聞かれ、原発事故後の選挙戦の難しさが改めて浮き彫りとなった。

 避難指示が解除された町にとって、復旧・復興と町政の伸展に向け待ったなしの状況だ。各議員は政策提言し活発な議論を繰り広げることで、町民の負託に応えなくてはいけない。