立候補予定の2氏、町の将来像で意見 富岡町長選前に討論会

 
公開討論会に臨む宮本氏(左)と山本氏

 任期満了に伴い20日告示、30日投票で行われる富岡町長選の立候補予定者による公開討論会が3日、いわき市で開かれた。ともに無所属での立候補を予定する現職の宮本皓一氏(70)=1期=と新人で前町議の山本育男氏(58)が出席、帰還政策や復興を後押しする産業振興策、町の将来像などについて意見を交わした。南双葉青年会議所(JC)の主催。

 町が町内の富岡一中を再整備して来年4月の再開を目指す小、中学校を巡り、2人の意見が対立した。

 山本氏は「子どもが安心して学校生活を送れる環境は整っていない。早急に再開しなくてもいいのではないか」と疑問を呈した。

 宮本氏は「再開を1年延ばせば、もっと子どもが集まらなくなる。校舎周辺の放射線量は除染で十分に下がっている」と反論した。

 町の将来像については、山本氏が「将来的な合併も視野に入れて財政運営をしなければ存続は困難だ」と主張。宮本氏は「(自治体間の)広域連携は進めなければならないが、合併の議論は時期尚早だ」と語った。

 東京電力が存廃を示していない福島第2原発について、宮本氏が「再稼働はあり得ない」、山本氏は「廃炉を求めたい」と述べた。