「衆院区割り改定法」施行 福島4区に西郷編入、大票田に

 

 衆院小選挙区の「1票の格差」を2倍未満に抑えるため、19都道府県の97選挙区で区割りを改定した改正公選法が16日、周知期間の1カ月を経て施行された。これに伴い安倍晋三首相が衆院解散を判断する上での制約は事実上解消。今後公示される衆院総選挙は新しい区割りで実施される。青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で小選挙区定数が各1減。比例代表の東北、北関東、近畿、九州の4ブロックの定数もそれぞれ1減され、戦後最少の計465議席となる。

 本県では、次期衆院総選挙から福島3区の西郷村が福島4区に編入される。衆院選挙区画定審議会(区割り審)の区割り改定案の勧告後も、西郷村議会や白河市議会が区割り改定に反対、または見直しを求める意見書を可決したほか、県町村会も「安定した選挙制度と一極集中の是正などを求める動議」を採択するなど、生活圏や経済圏が異なる地域を同じ選挙区とした決定への動揺が続いた。

 本県の小選挙区見直しでは、福島4区に編入する中通りの市町村をどう選択するかが最大の焦点だった。2015(平成27)年国勢調査の確定値で、福島4区は改定基準となった全国最少の鳥取2区よりも人口が6799人少ない27万6703人。市町村単位では選挙区を分割しないという改定方針に加え、人口減が進む中で鳥取2区をわずかに超える程度の見直しでは、近い将来に再び「1票の格差」問題に直面することを考慮。人口が2万人を超え、人口増が続いている西郷村を編入させる方針で決着した。

 今後は、新たな福島4区、特に西郷村の有権者が抱えた不安やわだかまりをどのように解消し、理解を求めていくのかが問われる。また、次期衆院選で、西郷村は会津若松、喜多方、会津美里の3市町に次ぎ、福島4区で4番目に有権者の多い自治体となる。選挙の行方を左右する「大票田」の一つとなるだけに、県内の政党関係者は西郷村編入の影響を注視し、対応の検討に着手した。