【いわき市長選・世論調査】清水氏先行、渡辺氏猛追 宇佐美氏、浸透図る

 

 10日投開票のいわき市長選は、新人の宇佐美登候補(50)、元職の渡辺敬夫候補(71)、現職の清水敏男候補(54)の3人が激しい選挙戦を繰り広げている。福島民友新聞社は3、4の両日、電話による世論調査を行い、取材を加味して情勢を探った。その結果、現職の清水候補が先行し、元職の渡辺候補が猛追する展開で、新人の宇佐美候補は浸透を図っている。ただし2割強が投票する候補者を決めておらず、情勢は流動的だ。

 地区別にみると、北部地区のうち大票田の平は清水候補に3割強、渡辺候補に3割弱と支持が割れている。清水候補は地盤の常磐で6割弱を固める一方、渡辺候補は四倉、好間でリードしている。久之浜は清水、渡辺両候補が激しく競り合う。宇佐美候補は事務所を置く小名浜の支持が他地区より高い。

 政党別では、清水、渡辺両候補とも自民党と関係が深いが、自民党いわき総支部の推薦を受けた清水候補が自民支持層の5割から支持を得ている。渡辺候補は民進、社民系の連合福島から推薦されたが、民進支持層をまとめきれていない。清水候補を支持する公明党いわき総支部の支持層は3候補に割れ、さらに3割強が態度を決めていない。共産党支持層は渡辺候補への支持が比較的高い。無党派層は4割が清水候補で、渡辺候補は2割弱にとどまっている。

 職業別にみると、農林水産業は3割強が渡辺候補、専業主婦は4割が清水候補を支持する。年代別では、60代、70歳以上などで清水候補が支持を広げている。渡辺候補は40代以下の子育て世代に浸透しつつある。

 [調査方法]3日午後から4日にかけ、いわき市内を対象に無作為に作成した番号に電話をかける方法で実施。有権者の在住が判明した1469世帯のうち、770人から回答を得た。回答率は52.42%。