地域医療「実行力」で舌戦、政策論争望む市民 いわき市長選ルポ

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 10日投開票のいわき市長選は中盤戦に入り、新人の宇佐美登(50)、元職の渡辺敬夫(71)、現職の清水敏男(54)の3候補が票の掘り起こしにしのぎを削る。医療強化などを公約に掲げ継続を訴える清水に対し、渡辺、宇佐美は清水の1期4年の実績に疑問を呈す。現市政の実行力を巡り、舌戦は激しさを増す。

 「総合磐城共立病院の建て替えなど、しっかりと実績を積んできた」。市役所近くに構えた清水の選挙事務所で、選対本部長の青木稔(71)は語気を強める。事務所には地域医療確保や雇用創出など従来の施策の継続を「深化」と表現したチラシが並ぶ。5日は市北部を遊説後、地元常磐で開いた3回の演説会で1期4年の実績を訴えた。

 事務所には、前回獲得した5万5千票を上回る「8万5千票」の特大横断幕。「勝負は五分五分」という青木の言葉とは裏腹に、陣営の強気さがのぞく。

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 平上荒川の大通り沿いに構えた渡辺。選挙事務所には「実行力で再起動」の文字がひときわ目を引く。告示から一夜空けた4日に勿来地区で開いた個人演説会では、陣営幹部が現職候補の実行力不足を強く批判し「市政に8年間もブランクが空くことになる」と危機感を強調した。

 渡辺は、自身の政策立案や県政との人脈を市長在職当時の実績として強調、支持拡大を狙う。選対本部長の菅波健(60)は「現職と肩を並べられたかどうか。ここからが正念場」と返り咲きへ執念を燃やす。

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 平と小名浜の両地区を結ぶ鹿島街道沿いに選挙事務所を設けた宇佐美は、地域医療の不十分さを指摘、市政刷新を訴える。「地域医療日本一の実現」を合言葉に、5日は市南部で遊説を展開。約40カ所の街頭演説で医師不足の解消、救急救命体制の立て直しなどの政策の浸透に余念がない。

 宇佐美陣営は清水、渡辺の争いを「自民党の内輪もめだ」と批判、2候補との差別化に躍起だ。後援会事務局長の松原基勝(66)は「自民党の内部抗争のような構図をそろそろ止めなければならない」と強調する。

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 いわき市では衆院選の小選挙区への移行などの経緯から複数の自民候補者がコスタリカ方式を採用してきた余波で、市長選でも自民の分裂劇が繰り返されてきた。今回も自民系2候補による批判の応酬が過熱する一方、政策論争が深まっていないとして不満の声を漏らす市民もいる。浜通りのリーダーを決める選挙戦の行方を有権者はどう受け止めているのか、投票率も含めて注目が集まる。(文中敬称略)

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