福島市長選...終盤まで『接戦』 4候補陣営、浮動票の獲得へ力

 

 任期満了に伴う福島市長選は19日の投票に向け、4候補による激しい選挙戦が続いている。立候補しているのは届け出順に、いずれも無所属で、再選を目指す現職の小林香候補(58)=1期、新人で幼児園長の法井太閤候補(72)、前復興庁福島復興局長の木幡浩候補(57)、元県議の桜田葉子候補(60)。選挙戦は終盤を迎えたが、各陣営は最後まで接戦が続くという見方で、投票先が決まっていない浮動票の獲得へ、政策や知名度の一層の浸透に力を注ぐ。

 組織や政党に頼らない選挙運動を続けてきた小林陣営は、終盤も遊説や街頭演説を中心に1期目の実績を訴える。市街地やスーパーなど人が集う場所を重点的に回る方針で、浮動票の取り込みを目指す。陣営は投票率を52~53%と予想、当初5万票とみていた当選ラインも5万5000票に引き上げた。菅野良二選対本部長は「4年間の実績を力強く市民に訴えていく」と陣営を引き締める。

 木幡陣営は、終盤に向けて浮動票への働き掛けと後援会の拡大をさらに進めていく方針。陣営を支える市議や県議の地盤に加え、支持団体などの組織引き締めにも改めて力を入れる。投票率は50%を上回る程度と予想、当選ラインは5万5000票という見方だ。梅津裕選対本部事務局長は「序盤の課題だった知名度の確保にも、一定の手応えを感じている」と、さらなる支持拡大を目指す。

 桜田陣営は各地区での個人演説会に加え、1日約10回の街頭演説を展開し、県議4期14年の実績や県とのパイプの強さを訴える。陣営は投票率55%程度、当選ラインは小林、木幡陣営と同様の5万5000票と予想する。終盤は後援会を固めながら、若年層や浮動票の獲得に向けて各地区でてこ入れを図る。金子振(おさむ)選対本部長は「最後に競り勝てるよう、気を引き締めて全力で戦い抜く」と話す。

 法井陣営は終盤に向けて有権者とじかに接する機会を増やし、子育て支援金給付など他候補にない独自政策の浸透を図る。投票率は予想していないが、当選ラインは5万票程度とみる。陣営は「一人一人に確実に話を聞いてもらい、政策への理解を得たい」としている。

 前回市長選の投票率は過去4番目の低さの49.10%。2005(平成17)年以来となる候補者4人による選挙戦は熱を帯び、16日までの期日前投票数は13年の前回市長選を上回っている。