【県都・福島の針路】山積する課題 『待機児童ゼロ』へ対策本部

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
市政の課題が山積する福島市。木幡新市長は12月8日に初登庁する=福島市役所

 「市民の声が届く開かれた市政に、スピードと実行力を持って取り組む」

 当選から一夜明けた20日、次期市長に決まった木幡浩氏は改めて決意を示した。任期が始まる12月8日以降、新市長はさまざまな課題への対応が迫られる。

 選挙戦でクローズアップされたのは子育て問題。特に今年の春、県内市町村で最も多い待機児童「223人」となった問題の解消は喫緊の課題だ。県庁所在地が子育てしにくい、住みにくい街のレッテルを貼られている現状をしっかりと認識しなければならない。

 市は2019年春の公立幼稚園再編と私立保育所の新設などにより、今後2年間で600人以上定員を増やす方針を示している。ただ、女性の社会進出を背景に今後も入所希望者は増え続ける見通しで「待機児童ゼロ」の達成は容易でない。

 木幡氏は早期に市長をトップとする官民の待機児童解消対策本部を設ける考えだ。「待機児童解消に最優先で取り組む。課題は保育士の確保。保育所ができても保育士が確保できなければ絵に描いた餅だ」と話す。

 市中心部の活性化も長年の課題だ。8月末で中合福島店2番館が閉店したJR福島駅前では、民間事業者による駅前再開発の構想が動きだした。

 県都の顔の駅前に人通りが少なくなって久しい。市民の関心も高い問題だが、具体的な再開発の計画は不透明な部分が多い。

 駅前通りでは県による工事が進むが、再開発に市や県などの行政がどう関わるかもまだ見えてこない。木幡氏は、コンベンション機能の強化などで都市機能をより高め、市の魅力を引き出すとともに「街なか居住やNPO法人の事務所集積など、市街地に人が集まる場所をつくっていくことが大事」との考えを示す。

 その上で、福島医大の新学部開設や大原綜合病院の移転も含め「人が集まり、人が歩くまちづくり」を進めていく都市像を描くが、具体的な施策はこれからだ。

 原発事故の風評払拭(ふっしょく)に向けては、市長就任後に観光面の緊急対策を検討する意向だ。観光シンボルの果物などの振興のため、農業と産業を一体化した食品加工業の育成も掲げる。

 課題山積の中、いかに課題解決に導いていけるのか。迅速さはもちろん、その効果がどう表れるのか、市民は岡山県や復興庁などで培った手腕に熱い視線を注ぐ。