「福島県知事選」内堀県政...『継続』か 復興策など新たな局面

 

 2018(平成30)年の県内政界は、秋に行われる知事選が最大の焦点となる。「復興・創生期間」が20年度で終了し、時限組織の復興庁も21年3月末で廃止されることを踏まえ、震災、原発事故からの復興の新たな針路のかじ取り役を決める重要な選挙となる。4選挙区(各欠員1)の県議補選も知事選と同日投票で行われる見通し。県議が首長選立候補のため辞職したことに伴う。任期満了に伴う首長選が見込まれるのは3市7町3村。4市では市議選が予定される。

 現職で1期目の内堀雅雄氏(53)は11月11日に任期満了を迎え、第21回知事選が行われる。内堀氏は現時点で、再選出馬に関する態度を明らかにしていない。ただ、避難住民の帰還や風評対策、県民の健康指標改善など、1期目で手掛けた施策が道半ばで、立候補が確実視されている。

 内堀氏は2014(平成26)年10月の知事選に副知事を辞して立候補、与野党相乗りによる組織力も生かした選挙戦で大勝した。前知事佐藤雄平氏からの「禅譲」の意味合いも強く、告示まで1カ月を切った中での出馬表明にもかかわらず、政党の協力や市町村長の支援を受け、県全域で支持を集めた。

 内堀氏の初当選から3年が経過したが、県政に対する与野党相乗りの構図は変わらない。郡山市で昨年12月に行われた内堀氏の政治資金パーティーでは、共産党を除く与野党が「県政与党」を鮮明にする現状を象徴する場面が見られた。

 来賓で登壇した自民党県連会長の根本匠衆院議員(福島2区)が「自民党は内堀県政の本流与党としてしっかり支えたい」と話したのに対し、続いて登壇した前民進党県連代表の玄葉光一郎衆院議員(福島3区)が「内堀氏を先頭に党派を超えて、立場を超えて頑張ろう」と述べた。

 共産党県委員会や県労連などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」は過去の知事選で、幾度も現職に対する対立候補を擁立してきた経緯があるが、久保田仁同委員長は「新年度の県当初予算やこれまでの県政運営の評価を見極めた上で、(知事選の)対応を判断したい」と話すにとどめている。

 知事選を巡る動向は内堀氏がいつ、いかなる場で再選出馬を表明するかが、最初の大きな焦点となる。

 任期満了に伴う知事選は公選法で満了日前30日以内の実施が定められている。選挙運動期間は17日間。「10月4日告示―同21日投票」「10月11日告示―同28日投票」「10月18日告示―11月4日投票」のいずれかの日程で行われる公算が大きい。

 4選挙区で県議補選

 知事選と同日投票で行われる県議補選は福島市、伊達市・伊達郡、田村市・田村郡、喜多方市・耶麻郡の4選挙区で行われる。現状では、複数の選挙区で元職らが立候補に意欲を示している。