「福島県知事選」始動 連合系3者、現職・内堀氏に出馬要請へ

 

 11月11日の任期満了に伴い今秋行われる知事選を巡り、連合福島の今野泰会長は5日、現職で1期目の内堀雅雄知事(53)=無所属=に再選出馬を要請する意向を示した。次期知事選の候補者擁立について県内政党、団体の幹部が具体的に言及したのは初めて。内堀氏の再選出馬を軸に今後、各党間で候補者調整が加速する。

 今野氏は5日に福島市で開いた連合福島主催の新春交歓会で、内堀氏を前に「知事の活躍は八面六臂(はちめんろっぴ)。再選に向けた英断を願いたい」と述べた。擁立手続きについては「3者協議を重視する」と述べ、2014(平成26)年10月の前回知事選と同様、民進、社民の両党県連に連合福島を加えた3者の枠組みを重視する考えだ。

 同交歓会では内堀氏も登壇したが、知事選についての発言はなかった。現時点で態度を明らかにしていない。ただ、避難住民の帰還や風評対策など1期目で手掛けた施策が道半ばの中で、立候補が確実視されている。

 初当選から3年が経過する中、共産党を除く与野党が「県政与党」を鮮明にするなど、県政の場では与野党相乗りの構図が続く。民進、社民両党県連と連合福島の「3者協」による協議が本格化するとみられるが、今後は県議会最大会派の自民党の対応が焦点となる。

 前回知事選は3者協に無所属県議を加えた「4者協」が選対組織の軸となり、内堀氏擁立、当選の流れをつくった経緯がある。自民県連は復興施策など県政の主要施策で方向性が一致しており、内堀氏を評価する意見が大半だ。内堀氏がいつ、どういう形で再選出馬を表明するかが不透明な現状で、今後は自民党と民進・連合系との内堀氏擁立に向けた水面下での主導権を巡る攻防が注目される。

 各党の県連幹部は知事選後の19年夏の参院選、同年秋の県議選での党勢拡大を見据えており、内堀氏の再選出馬では与野党が存在感を示す機会と捉える。

 これに対し、共産党県委員会や県労連などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」は与野党相乗りを批判し、過去の知事選で独自候補を擁立してきた。久保田仁委員長は「新年度の県当初予算やこれまでの県政運営の評価を見極めた上で(知事選の)対応を判断したい」と話す。