【伊達市長選ルポ】復興策継続か、市政刷新か 5候補激しく舌戦

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市中心部の掲示板に張られた5枚のポスター。過去最多の立候補に市民は公約を注視している

 28日投開票で行われる伊達市長選には、現職の仁志田昇司(73)、新人の元市議橘典雄(68)、新人の元市議高橋一由(65)、新人の元県議遠藤保二(69)、新人の元県職員須田博行(59)の5人が立候補、復興と地域振興策の継続を訴える。4選を目指す現職に対し、新人4人が市政刷新を求め、序盤から激しいつばぜり合いを繰り広げる。(敬称略)

 市保原町の市街地の選挙掲示板に張られた5枚のポスターに1人の女性が見入っていた。「これだけ多くの候補者が出るとは。政策を見るだけでも大変だ」。過去最多の5人の立候補に市民は戸惑いつつ、各候補の公約を注視している。

 保原町中心部に置く仁志田の事務所。県選出国会議員や県内首長らのため書きが張られ、超党派の市議が出入りする。市議23人の約半数が支援、公明党伊達支部も支持する。選対本部長の元市議会議長滝沢福吉(73)は「厳しい状況だが、これまで通り戦う」と述べ、新人4人が繰り広げる市政批判にも動じない。

 仁志田は相馬福島道路の開通を見据えた地域活性化を公約の柱に掲げ、復興・創生策の継続を強調する。

 地元・梁川町に事務所を構えた須田は2006(平成18)年の5町合併後、市本庁舎を置いた保原町への行政機能の集中などを指摘し、旧5町の均衡ある発展を訴える。大票田の一つ、梁川町での集票に力を入れ、序盤から梁川町や霊山町、月舘町の各地区を重点的に遊説する。

 選対本部長霜山幸八(76)は「他候補と比べて組織は弱いが、市民党を訴えて対立軸を明確にする」と語気を強める。

 高橋は序盤から毎夕、各地区のスーパーで街頭演説を重ねる。50~70代の女性を照準に、大型商業施設の誘致実現を柱に学校給食費やデマンドタクシーの無料化などの公約を訴える。

 14年の前回の市長選では1万3千票を集めたが、3千票差で仁志田に敗れた。後援会事務局長の佐藤栄治(55)は「対象を絞って徹底的に戦略を練った。前回とは全く違う」と手応えを口にする。

 告示約1カ月前に出馬を表明した遠藤。保原町中心部に設けた事務所には、自民党の国会議員や県議らのため書きがずらりと並ぶ。11年11月の県議選から6年の空白があり、後援会組織の再構築を急ぐ。

 選対本部長の佐久間修(76)は「選対の雰囲気はとても良い。市政転換を求める風がそれだけ強い」と話す。県議3期で培った国や県とのパイプを強調し、他候補との差別化を狙う。

 3回目の挑戦となる橘は地元・梁川町に事務所を構え、風評払拭(ふっしょく)に向けた市内の全面除染などを訴える。