伊達市長に新人・須田博行氏 現職・仁志田氏ら4人抑え初当選

 
初当選を果たし、万歳する須田氏。左は妻の友紀子さん=28日、伊達市梁川町

 任期満了に伴う伊達市長選の投開票が28日行われ、無所属の新人で元県職員の須田博行氏(59)が、4選を目指した無所属で現職の仁志田昇司氏(73)ら4人を退け、初当選を決めた。

 2006(平成18)年に伊達郡5町の合併で誕生して以来、過去最多5人が立候補。3度目の選挙戦となった今回はこのほか、いずれも無所属で新人の、元市議の高橋一由氏(65)、元県議の遠藤保二氏(69)、元市議の橘典雄氏(68)が出馬。市内を通る東北中央道の開通を控え、市の将来像をどう示せるかが問われた。

 須田氏は豊富な行政経験を前面にアピール、旧5町の均衡ある発展を訴えた。地元梁川町を中心に票を集め、現職ら5候補の乱戦に勝利した。

 任期は2月12日から4年。投票率は54.12%で、前回を5.83ポイント下回った。

 均衡ある発展訴える

 現職に対し新人4人が挑む、過去最多の5人による戦いとなった伊達市長選。伊達市民は市政の刷新を選び、元県職員の須田博行氏(59)に市のかじ取り役を任せた。

 県北農林事務所長を辞職した須田氏は昨年11月に立候補を表明すると、草の根運動で急速に知名度を高めていった。保原町に次いで有権者が多い地元の梁川町を中心に、農業による振興策が支持を集めた。合併前旧5町の均衡ある発展を訴え、幅広く得票した。

 現職の仁志田昇司氏(73)は市政継続の必要性を強調。超党派の市議や公明党伊達支部が支援し、大票田の地元保原町を中心に票を固めた。候補者が乱立したことで現職有利とする声もあったが、多選への批判もあり、伸びを欠いた。

 前回に続き立候補した高橋一由氏(65)は水道料金の引き下げなど市民目線の政策を掲げ、地元の旧伊達町を中心に支持拡大を図ったが及ばなかった。元県議の遠藤保二氏(69)は実績をアピールしたが、県議選から6年の空白があり、組織の弱体化が響いた。支援組織を持たない橘典雄氏(68)は独自の戦いだったが、支持は広がらなかった。

◇伊達市長選開票結果(選管最終、敬称略)
当9,642 須田博行 59 無新
 8,508 仁志田昇司73 無現
 6,291 高橋一由 65 無新
 3,359 遠藤保二 69 無新
   438 橘典雄  68 無新