喜多方市長選・初当選の遠藤氏に聞く 「合併後の行政を検証」

 
初当選を果たし抱負を述べる遠藤氏

 喜多方市長選で新人同士の一騎打ちを制した遠藤忠一氏(70)は福島民友新聞社のインタビューに応じ、子育て環境の整備や産業振興などに取り組む意欲を示した。新たにかじ取りを託された遠藤氏に、抱負などを聞いた。(聞き手・編集局長 菊池克彦)

 ―新市長としての抱負を。
 「昨年11月19日の『いい育児の日』に立候補を決意した。まずは次代を担う子どもたちのために政治経験を生かしたい。少子高齢化や産業の空洞化など課題は山積しており、本年度からスタートした市総合計画が絵に描いた餅にならないように状況の変化に対応していく。わくわくするようなアイデアを職員に出してもらい『オール市民』で行政運営をしたい」

 ―5市町村合併後の課題は。
 「行政経費が大幅に削減された一方、旧町村にある総合支所にあまり権限がなく、地域間で濃淡が出てきた。合併後の行政運営を検証しなければならない。合併特例債の発行期限再延長も検討されており、全国の首長と一緒になって国に地方の課題や要望などを伝えたい」

 ―産業振興にどう取り組む。
 「会津大や福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想とタイアップして新素材の研究や製品開発などに当たる産学官の機関を誘致したい。復興・創生期間の残り3年が勝負になる。県は2040年までに消費エネルギーの全てを再生可能エネルギーで賄う目標を掲げており、喜多方はその先駆けの地を目指したい。そこで得た収益を学校給食の無償化に役立てることができる」

 ―まちづくりの具体策を。
 「厚生会館や図書館などの公共施設が老朽化している。喜多方准看護高等専修学校は看護師や介護士の人材育成に向けハード面の整備が不可欠となっている。冬期間に子どもが遊べる場所もない。このため県立喜多方病院跡地などを候補地に、観光の情報発信を含めさまざまな機能を持つ施設を整備したい」

 ―東京五輪・パラリンピックに向けては。
 「国によると、(参加国・地域の選手らと相互交流する)ホストタウンへの登録がまだ間に合う。インバウンド(訪日外国人旅行者)を迎えるため、通訳ガイドの養成や免税店の設置に取り組みたい。喜多方のネームバリューを生かしながら、地域の特産品や花の名所など魅力をアピールする」