「2選挙区に特例法」 双葉郡と南相馬・飯舘、次期県議選適用案

 

 来年秋に行われる次期県議選に限り、原発事故による住民避難の影響で国勢調査人口が著しく減少した選挙区に、定数配分の激変緩和を認める特例法が施行されたことを受け、県議会の議員定数等検討委員会は27日、県庁で会合を開き、特例法を適用する市町村を協議した。斎藤健治委員長=自民、須賀川市・岩瀬郡、5期=は、双葉郡と南相馬市・飯舘村の2選挙区計10市町村に特例法を適用する私案を提示し、各会派で検討することを求めた。

 現行の公職選挙法では、原発事故の影響で国勢調査人口が著しく減少した双葉郡選挙区(定数2)の定数がゼロになる。同選挙区に特例法を適用した場合、2015年国勢調査が実施された時期の住民基本台帳の実態に近い、約6万5000人の選挙区とみなされ、定数2を維持できる。斎藤委員長の私案では双葉郡に、現行の公選法でも定数2を維持できるものの、15年と10年の国勢調査を比較した場合、飯舘村の人口減少率が著しいため南相馬市・飯舘村を加えた2選挙区で特例法を適用する、とした。また斎藤委員長は県議会の総定数についても、私案として現行の58を維持する意見を示した。

 15年国勢調査人口に基づく県議会事務局の試算では、郡山市選挙区が1増、喜多方市・耶麻郡選挙区が1減となるが、斎藤委員長は国勢調査人口と住民基本台帳人口の大きな乖離(かいり)という異例の状況に対応するために特例法が制定された背景を踏まえ、「総定数の増減は慎重であるべきだ」と述べ、特例法の適用選挙区同様、各会派で検討することを求めた。

 総定数を巡っては、前回15年の県議選でも郡山市選挙区が1増、喜多方市・耶麻郡選挙区が1減との試算が出された。しかし、当時は議員定数問題検討委員会の答申を受け、「選挙区別の定数は人口比例で定めるが、特別な事情がある場合は地域間の均衡を考慮し定めることができる」などとする公選法第15条8項ただし書きを適用し、定数を維持した経緯がある。