【福島県知事選・政党の思惑】共産、候補人選作業へ 対立軸形成

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「つくる会」として独自候補の擁立を目指している共産党。町田氏(中央)は街頭演説で現県政に対する不信感を訴えた=4月下旬

 「選挙戦にならないと、面白くない」。知事選を機に党勢拡大を狙う政党の関係者からは、現職内堀雅雄氏の出馬を見越した「1強ムード」に本音が漏れる。

 内堀氏の支援を巡って各政党の思惑が交錯する一方で、独自候補を擁立する方針を示している唯一の勢力が共産党県委員会や県労連、県農民連など16組織で構成する「みんなで新しい県政をつくる会」だ。

 「ただ言うだけでなく、県民の立場で行動する県政が求められる。今の県政はそうではない」。4月下旬に福島市のJR福島駅前で行われた街頭演説。つくる会副会長を務める町田和史共産党県委員長は声を張り上げ、現県政に対する不信感をあらわにした。

 町田氏は現県政が国との協調路線を歩んでいると指摘。東京電力福島第2原発の廃炉を含む原発ゼロ政策について「消極的になっている」と批判、浜通りに新産業を集積する福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想についても「大企業ばかり参入できる構想に巨額の予算を投じている。外部依存でなく地域循環型を目指すべきだ」と見直しを主張する。

 「つくる会」は1988(昭和63)年結成。その後行われた知事選8回のうち、5回は加盟組織の中から無所属候補を擁立するなど県政界に一石を投じてきた。ほかの2回は共産党の公認候補を支持、前回は元岩手県宮古市長の熊坂義裕氏を自主的に支援した。「基本的な考えが同じなら、政策が100パーセント一致しなくてもいい」。町田氏は候補者選定の流れに踏み込む。

 今秋の知事選では独自候補擁立に向け、6月をめどに方向性を決める方針だ。野木茂雄つくる会事務局長は「政党ありきでなく、政策重視。丁寧に議論を進めなければならない」と力を込める。今後、つくる会の基本的な考え方をまとめ、政策と擦り合わせながら、人選作業を本格化させる。

 思想信条を超えた対立軸形成を思い描く町田氏の言葉にも覚悟がにじむ。「決して誰でもいいから出すというわけではない。幅広く県民の支持を得られる候補者を擁立したい」