「浪江町長選」中盤戦入り 産業、生活再建で舌戦

 

 8月5日投開票の浪江町長選は30日、中盤に入り、いずれも無所属で新人の団体役員吉沢正巳候補(64)と、前町議会議長吉田数博候補(72)が舌戦を繰り広げている。

 原発事故に伴う避難指示が一部地域を除いて昨年3月末に解除されて初めて行われる町長選。町民の帰還率(今年6月末現在)が約4%にとどまる現状などを踏まえ、2015(平成27)年の前回に続き、告示から投票前日までの選挙期間を10日間に延長して行われる。

 町外の各地に避難している有権者の票の取り込みが当選の鍵を握るとみられており、町民の生活再建や町内の産業再生、原発事故の賠償問題などについての両候補の訴えが、どう判断されるかが注目される。

 吉沢候補は町民が多く避難する中通りと浜通りを重点的に巡り、町民と討論を重ね支持拡大を図る。

 吉田候補は県内の避難先を中心に遊説、支援する町議の後援会なども活用して政策の浸透を目指す。

 町長選と同日程で行われている町議補選は欠員1に対し、いずれも無所属の新人1人と元職1人が立候補している。